デッキ解説 - 六武衆

概要


六武の門の規制以降、六武衆は純粋なビートダウンデッキへとシフトして行きました。
真六武衆−シエンや六武の門のようなパワフルなカードはいくらか残っていますが、いずれも制限カードで爆発的な展開を見せることはほとんどありません。
前面で脅威となるモンスターも非常に限られており、比較的高い打点を各種サポートカードで支えながら、早期のビートダウン達成を目指す事が基本方針となります。
動きで言えばラビットデッキのそれに近く、シエンとラギアの両者が似たような位置付けにあると言えるでしょう。


以下は僕が先日LCSにて使用したリストです。

モンスター(16枚)
六武衆の師範
六武衆の影武者×3枚
六武衆のご隠居
六武衆−ザンジ
六武衆−イロウ
真六武衆−キザン×3枚
真六武衆−カゲキ×2枚
真六武衆−エニシ
エフェクト・ヴェーラー×3枚

魔法(13枚)
六武衆の荒行×3枚
六武衆の結束×3枚
六武の門
大嵐
増援
紫炎の狼煙×2枚
死者蘇生
月の書

罠(11枚)
六尺瓊勾玉×2枚
神の宣告
神の警告×2枚
諸刃の活人剣術×2枚
強制脱出装置×2枚
デモンズ・チェーン×2枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
H−C エクスカリバー
M.X−セイバー インヴォーカー
No.16 色の支配者ショック・ルーラー
No.30 破滅のアシッド・ゴーレム
No.39 希望皇ホープ
インヴェルズ・ローチ
ダイガスタ・フェニクス
ナチュル・パルキオン
ナチュル・ビースト
ナチュル・ランドオルス
ブラック・ローズ・ドラゴン
機甲忍者ブレード・ハート
真六武衆−シエン
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
サイクロン×3枚
マクロコスモス×3枚
ライオウ×2枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
大成仏
奈落の落とし穴×2枚
冥府の使者ゴーズ
六尺瓊勾玉


「荒行六武」の呼称が存在しますが、現状のカードプールで荒行を使わずに六武衆を構築する事は不可能に等しいため、区分けするようなものでもないでしょう。そのまま「六武衆」の呼び名で良いかと思います。
とは言え、荒行がゲームを構築する上でキーカードとなっていることは間違いありません。
荒行は非常に優れたカードです。速度を重視するビートダウンデッキにおいて召喚権を増加させるカードは単純に価値が高く、コンセプトにも合致しています。
デッキ構築は荒行の使用を前提とした採択がなされていて、メインのザンジ・イロウ採用他、ヤイチ不採用等がそれに当たり、無駄なく動き出せるよう細部に対する気配りが必要です。

基本戦略


単に打点に頼って押していくだけならヒーロービートやラビットデッキを使う方が何倍も賢いと思われますが、六武衆の強みは特殊召喚機会の多さにあります。
荒行はもちろん、キザンや師範のような自らが特殊召喚能力を持つものに加え、カゲキは他の六武衆モンスターに特殊召喚効果を付与する効果を持ち、活人剣術のような決め手となる1枚も存在します。
モンスターを出す機会が多ければそれだけライフを削るのに速度が生じるため、大体2〜3ターン程度あれば致死量を与えられます。
前のめりな構造はカードの採択にも影響しており、強制脱出装置のような本来は損をしやすいカードでも、狙いに置いている「ライフを奪い切る」という点について言えば悪くない選択肢となり得ます。
「捌き切る」と言うよりは「捌けるうちに殴り切る」がモットーで、別のゲームの言葉になりますが、クロックパーミッションの位置付けが非常に相応しいデッキです。


基本は引いてきたものを効率よく使って8000を削りきるだけの作業ですが、そんな中でもいくつかプランと言いますか、目指すべき着地点は存在します。


1.シエン制圧
基本パターンです。
 ・カゲキ+影武者
 ・影武者(orご隠居)+荒行
 ・(相手フィールドにモンスター存在時)ご隠居+影武者
の3パターンから成り、シエンのカードパワーに任せてグイグイ押していく格好です。
特に難しい事はありません。無効にするものをしっかり判断できれば立った時点でほぼ勝っています。
運用のポイントとしては「止めない理由を探すこと」です。「止める理由を探すこと」は好ましくありません。
単純に1アドバンテージを稼ぐ機会が訪れているのですから、そのチャンスを捨てる理由があるのかを第一に考えます。
詳しい理由については後述します。


2.ショックルーラー制圧
戦士絡みのランク4エクシーズは前のめりの能力を持つものが多いため、並べた返しの相手ターンにおける諸さが際立ちます。ローチやホープは相手を選ぶ上、打点の低さもあってそれほど信頼が置けません。
そこで役立つのがこのショックルーラーで、3体の戦士は大体4000〜6000程度のライフを奪う打点がありますから、宣言さえ的確に出来ていればショックルーラーは残りライフをほぼ確実に削ります。
荒行絡みの展開を行う都合で何かしらのエクシーズを求められる事が多いことからも、ショックルーラーはとりあえずの選択としても最適で、裏目も出にくいです。
エクストラにインヴォーカーを搭載することで召喚機会の増加を図っています。レベル3x2をレベル4x1体分に変換できることを覚えておきましょう。


3.勾玉ビートダウン
勾玉を盾にガバ伏せを行うビートダウンで、出てくる脅威全てに除去をぶつけ続ける展開となることから、相手のハンドの質と真っ向を行う事になります。
ドロー内容の運次第、かつ後で引いてきた門結束が腐るため、初手の時点からその先得る戦力にロクな期待が持てません。有効牌を引ける確率も極端に低く、正直かなり弱いパターンです。
出来ることなら避けるべきですが、結束ドローを達成した上でイマイチ内容が好ましくない場合は、場に既に戦力を展開してしまっているため後戻りが出来ず、やむなしにこのプランに入ることも多いです。
六武衆は入っているカードが基本的に弱く、1枚1枚のぶつけ合いには劣りがちであるため、実行後はあらゆる要素を無視してごり押しを敢行するハメになりますが、やむを得ない状況です。


4.真エニシ2KILL
前面を固めながら各種サポートによるバックアップが戦術の基本、と述べましたが、引きの偏りにより上手くいかない場面も多々あり、どのくらいの防御を揃えられるかは運次第でもあります。
時には攻撃的な手札に寄り過ぎ、防御が1枚も確保できないといったような事態さえ発生しえます。
その代表例として、荒行を筆頭とする前のめりなカードで手札が染まってしまったケースが上げられますが、その荒行を唯一防御手段に変換する真エニシの存在がこのプランの軸となります。
真エニシの効果は相手ターンでも使用可能で、下級六武衆の中で唯一防御手段として機能します。
このバウンス効果は非常に強力です。バウンスと言う行動自体は「戻す」だけの行為であるため得をする事はほとんど無く、往々にしてマイナスを発生させる要素ですが、真エニシは自身がフィールドに残っている限りアドバンテージ面で損をしません。
フリーチェーンの起動効果であるため、相手の行動を見届けた上で最も不味い部分に待ったを掛ける事が可能です。バトルフェイズにも発動が可能で、エフェクトヴェーラーを回避する手段もアリとモンスターである割には信頼性の高い防御性能を保持しています。
他、破壊でも無効でもない為、蘇生やモンスター追加からのエクシーズ・シンクロを許さない等、バウンスなりの利点も存在します。
実際にこのプランを成立させる前提条件として、
 1.場に自身以外の六武衆モンスターを立てる
 2.墓地に六武衆モンスター2体を揃える
の2点を満たす必要があります。
1はそれほど難しいことではありませんが、2が問題で、仮に何の下積みも無い状態で動き出そうとした場合、最低でも4枚のカード消費が必要です。
更地の状態から墓地に2枚の六武衆モンスターを落とす手段は主に3つで、
 ・影武者を絡めたシンクロ
 ・レベル4x2からのエクスカリバーで2体分を落とす
 ・レベル3x2からのインヴォーカーでキザンをサーチし、エンド時そのまま自壊させる
の3つがあります。
いずれにせよ非常に回りくどい上、手間がかかります。
それゆえ効果も使用できて1回が限度であるため、エニシの擁立を図ると共に、次のターンには確実に倒し切る「2KILL」のフィールド構築が求められる訳です。
ゲームがある程度進行している中で狙う場合はそれなりに墓地が肥えていることも多いので、その際は臨機応変に墓地のモンスターの数を調整していきます。
荒行の対象としたモンスターを敢えて放置し、自壊させて餌とする方法もあります。一つ一つのカードの動きをよく理解して勝機を逃さないよう心掛けましょう。


以上1〜4はそれぞれが独立したプランと言う訳でもなく、併用も可能で、その場合対応できる範囲はより広がります。
強い手札の時はこれらの重なりを意識して展開の仕方を考えましょう。


モンスター

前述した通り、モンスターの採択はいずれも荒行の存在を前提としたものになっています。
今回は採用しませんでしたが、六武衆の侍従でさえ僕は採用圏内だと思っています(カゲキ+荒行しかカードが無く、スタートできずに負けてしまった場面が何度もあったため)。
高速ビートダウンをテーマとする手前、「動き出せないこと」が最も懸念される事態です。多少弱い展開になろうとも「とりあえず動き出せること」を可能とする構造が安定性を生み出します。


《六武衆の師範》
主な役割はパンプ後キザンに打ち込む荒行のサーチ対象ですが、召喚権のプラス、激流葬をケアしながらの展開等の強みもあります。
とは言え実際のところは非常に使い辛さが目立つ1枚で、理由として
 ・他の六武衆が居ないとスタート出来ないこと
 ・エクシーズの選択肢が取れないこと
 ・影武者から出てくるシンクロモンスターが弱いこと
の3点が上げられます。
続々とリリースされる4エクシーズモンスターの存在により、キザンの価値が飛躍的に伸びました。エクスカリバーによる解決能力の向上は注目すべき点です。
一方の師範は用途が随分限定的で、荒行で呼び出した後も特に仕事がある訳でもありません。
フィールドに1体しか存在できない点も含め、選択肢として1枚ぐらい挿してておくのが丁度良いかと思います。


《六武衆のご隠居》
このカード1枚が担っている役割は思いの他多く、デッキの中で重要な位置付けを担っています。
荒行発動からシエン・ナチュルビーストの召喚達成を見ていくのはもちろんの事、特殊召喚効果自体も大変重宝します。
と言うのも、六武衆に入っているカードの多くは場に六武衆と名のついたカードの存在が前提となっているものばかりで、このため初動に神の警告のようなカードを合わされてしまうと同ターン中の動きが否定されてしまいます。
インゼクターが蔓延する今の環境において1ターンの遅れは致命的です。場のモンスターの処理に失敗すれば続くターンで取り返しのつかないレベルで差を広げられてしまうことでしょう。初動のダンセルにヴェーラーをプレイするなどした際、こうした局面は頻繁に訪れます。
その点でこのご隠居は大変に優秀で、とりあえず場に立てておけば後続の師範やキザンを滞りなく送り出せますし、仮にそれらもしくはご隠居が対処されることがあっても召喚権そのものは温存できますから、改めてモンスターを送り出すことが可能です。
また六尺瓊勾玉の発動条件である「場に六武衆が存在する」を満たす場合においても大変勝手が良く、シエンを立てに行く際、燻し銀の働きを見せてくれます。
勾玉を盾にしたご隠居⇒カゲキ影武者のパターンは良く取られる手法で、相手からの神の警告を弾きながら1700・2500の打点成立に繋がる強い動きです。
3エクシーズの選択肢が広がっているのも追い風です。初動の保険を展開後戦力に変換できます。


《六武衆の影武者》
ヒーロービートやインゼクターの存在により、環境が守備力1800の価値を薄めてしまったのは残念ですが、その代わりとして効果の方に有用性が生まれました。
フィールド上の六武衆が効果の対象となった際その効果を自身に移し変える、影武者の名に相応しい能力は、現環境主流防御手段となっているエフェクトヴェーラーに対して使用できます。
六武衆は基本的にエフェクトヴェーラーの干渉を受けないデッキではありますが、意識しながら動かなければならない場面がいくつかあり、その筆頭が激流葬+エフェクトヴェーラーです。
初動でシエンを立てたゲームの第2ターン目、早い段階でのフィニッシュを見るためにも何かしら追加の展開が必要となってくるケースが多いのですが、上記の迎撃策を考えると軽はずみなモンスターの追加は許されません。場にシエンが立っていて、相手の伏せが1枚しかなくとも、完全な信頼は得られないのです。
そんな場面において、影武者の効果は大変に有効です。ひとまずこれの召喚から入っておけばヴェーラーに対するケアは図れるようになるため、後続のキザン・活人剣術等々安心して繰り出していけます。


《六武衆−ザンジ》
専ら荒行要因ですが、効果も強力です。
ゴーズやトラゴエディアのような六武衆にとって絶望的な攻撃値を含む脅威に対してもザンジは安定した活躍を見せてくれますし、バトルフェイズ中に荒行でプレイできればヴェーラーされる心配もありません。
メインフェイズ1で召喚する必要のある場面でも、ヴェーラーを受けた後エクシーズに逃げる手段アリと、相手目線で見ても非常に面倒なモンスターです。


《六武衆−イロウ》
正直なところかなり弱いです。サイドチェンジ後はライコウやスノーマンを切るなどそれなりの役目を持っていますが、メインデッキの段階ではアックスレイダーにしかなりません。六武衆と名前がついているだけです。
そんなモンスターを何故メインデッキに搭載しているのかと言えば、無論荒行の存在ゆえ、もっと言えば真エニシの為です。
真エニシは非常に強力なモンスターです。入れない選択肢は1000000000000000%ありえません。これはメインデッキにルイーズが入らない事よりも高い可能性を示す数値です。
真エニシの攻撃力は1700であり、主にパンプアップしたカゲキに対してプレイされる荒行の効果でフィールドに現れることになりますが、デッキに入っている以上そのまま手札に引いてくることもあります。当然荒行とセットで揃うこともあります。
六武衆は速度を非常に重要視するデッキです。「プレイできない」「動けない」といったもたつきが大変好ましくありません。
調整段階において、初め数回はそれほど気にならなかったのですが、数を重ねる毎にエニシ・荒行の重なるシチュエーションは増え始め、迷い迷った挙句でイロウのメイン採用を決めました。
結束・門・荒行の関係上六武衆モンスターは一定数の採用が必要であり、数をキープするために2枚入っていたザンジの内1枚と入れ替わる格好となりました。
極稀にギアギアーマーのような標的を前に歓喜する事もありますが、基本的にはバニラに違いないので引いてしまった場合や荒行で呼んできた場合においても速やかにエクシーズモンスターに変換することを意識して動きます。


《真六武衆−キザン》
エクシーズモンスターが登場して以来飛躍的に強くなりました。返しの戦力として非常に頼れる1枚です。
影武者と合わさればブリューナク・パルキオン、4つ星モンスターと合わさればエクスカリバーを筆頭とするランク4へ。キルに結びつかない門の回収効果でも優先してキザンをキープします。安定した返し手となるため無駄になることがほとんどありません。
また地属性・戦士・4つ星であることからインヴォーカーのサーチ対象ともなり、エクシーズの登場がキザンの価値を大きく引き上げています。


《真六武衆−エニシ》
単体のスペックで見ればデッキ内で1番強いモンスターと言えます。
相手ターンでも起動できるバウンス効果が大変強力で、本来攻め手にしか成り得ないはずの荒行が防御手段の成立に繋がります。
カゲキ影武者からの荒行エニシ、シンクロシエンは六武衆の持つ数少ないぶん回りパターンです。決まって負けたゲームは今のところ一度もありません。
ここにさらにキザンか師範が加われば2500・2200・2100のラインを一瞬で形成できます。
自分の場のモンスターもバウンスできますから、除去されそうになったら自身をバウンスしてアドバンテージの損失を抑えるプレイも可能です。


《真六武衆−カゲキ》
主にヴェーラーの標的になります。
分かりやすい打ち所がここぐらいしかないので積極的にプレイされますが、後々のシエンを安全圏に持っていくのにここでヴェーラーを貰っておくのも悪くは無いです。当然通った時もその分のリターンがあるためどちらに転んでもそれほど問題はありません。
手札にキザンか師範があれば単純に損をさせる事が出来ますし、そのどちらも罠も無く戦闘破壊されてしまった場合でも、アドバンテージ的には1:1です。
ビートダウン系のデッキ相手に壁として設置できるのも大きいです。影武者の1800は許されませんが、カゲキの2000は信頼が置けます。対ヒーロービート戦においては鍵となってくるモンスターです。
そして、前述した荒行からの真エニシサーチがあります。真エニシは通常にプレイすると召喚権が必要な上に色々と下準備が必要なため、強い場面が限られてくるのですが、荒行で呼び出せば手順を一気に消化できるためスムーズな運用が図れます。


サポート

《大嵐》
メインデッキに入っていない人も見かけました。
話を伺ったところ「先行の展開の時邪魔になる」との事でした。
打つ場面が来ないかもしれない、というのならそのまま何もせずにエンドしてしまえばいいです。2ターン目にこれを発動して行動を開始すれば大嵐が邪魔になることはありません。
先行というだけでも1枚分アドバンテージを獲得できているため特に損はありませんし、裏目は神の宣告と後攻ワンキルのみです。
元々先行を取れる確率は5割しかありませんし、そう考えると50%の確率で有効に使えます。それも最強レベルの働きで。
仮に先行でシエンを立てに行くケースでも、相手はシエンを処理するためにチェーンを組めるようガバ伏せになりやすく、嵐はこれらを一層します。
個人的に入れない理由は無い1枚です。


《六武衆の結束》
2ドローできれば強欲な壺ですが、アドバンテージ獲得に関してのみ言えば今の環境そうした行動を取れないデッキの方が少ないぐらいですから、不確定のドローは実際それほど強くありません。
ダンセルホーネットなんかはカードが1枚増えつつ相手のカードが2枚減るので3倍壺です。
特に2枚引けること前提で展開した結果これにサイクロンをプレイされると途端に詰みかねません。
過度な信頼は寄せず上手くいくこともあるぐらいの考えで使っていくべきカードです。


《六武の門》
六武衆を使う最大のメリットです。
貼って攻めに行くこと自体はほとんどリスクを負わないため後攻でもドンドン突っ張れます。失ったモンスターも返ってきます。
またチューナーが絡まない展開においてもキザンを連発してショックルーラーを立てる道があり、スタートモンスターが多少弱くとも抑えに向かうパターンが取れるようになりました。


《六武衆の荒行》
デッキの核です。これ1枚握れているだけで動きのパターンが随分広がります。
パンプによる数値変動で呼び出せるモンスターが変わる組み合わせがありますが、これは時折相手側からのエフェクトヴェーラーで不発ないしは狙いと異なるモンスターを強要されてしまうケースがあるので、出来ることならその範囲から逃れられるバトルフェイズで発動すべきです。
速攻魔法という点が評価でき、チェーン2で発動できれば激流葬をかわしながらシエンを擁立することもできます。


《諸刃の活人剣術》
六武衆の代名詞とも言える蘇生罠。
ただしシエンが制限カードとなったことで以前ほどの威力は得られなくなりました。カゲキ影武者シエンから活人剣術をセットしたところで、次のターンに出せるシンクロモンスターがどれも心許ないものばかりだからです。
一方で、第7期後半のエクシーズモンスターの登場を受け、チューナーが絡まずとも自壊予定のモンスターを使っていけるようになったのは大きな収穫でした。
そして今回のREDUでリリースされたH−C エクスカリバーはより一層のシナジーが期待できる1枚で、2体の素材を一気に取り外せるようになったことから、墓地が全く肥えていない場面においてもそのまま活人剣術の発動条件を満たせるようになりました。
これだけならラヴァルバルチェインで既に実現可能でしたが、発動条件のみを満たすチェインと異なりエクスカリバーは攻撃力倍化能力のおまけ付です。
活人剣術で吊り上げたモンスターを2体目のエクスカリバーないしはブレードハートに変換してやることで、今までイマイチしっくり来なかった4つ星x2+活人剣術の組み合わせが8000オーバーの1ターンキルが可能な組み合わせへと昇華されたのです。


防御

高速ビートダウンを狙いに置いた体制を取っているとは言え、相手側からも攻めのアクションは行われますので、それを捌く手段は必要です。
攻めの基軸として用いる六武衆モンスターが相手の攻撃に対してほとんど干渉できない事を考えると、他のデッキよりも罠に依存する面はむしろ強いと言えます。
基本的にはラビットデッキと同じような動きが求められており、前面の高打点を後方の防御手段で支援する単調な構造を取ります。
ビートダウン達成の成否を完全に後ろに任せている面がある一方で、現環境には最大勢力インゼクターの他にも様々なデッキが存在しており、それら全てに適応できる罠は非常に限定的です。
よって、採用する防御カードは多少弱くとも広範囲を見れるカードを基準に採用していく必要があります。


《エフェクト・ヴェーラー》
シエンや後述の勾玉のお陰で大嵐には耐性がある方ですが、引けない展開ももちろん有り得るため、防御の構え方を散らしておくのは無難です。
元々前面の打点を維持するコンセプトのデッキですから、無効化したモンスターの処理に困ることもほとんどありません。
何より、環境に蔓延するインゼクターの存在が邪魔をして投入できる罠が随分限定的になっているという問題があります。


《月の書》《デモンズ・チェーン》
場に残すモンスターでの処理を前提とした採択で、戦闘と合わせての1:1交換を意識して搭載しています。
通常のデッキでは使いづらいこれらも六武衆ぐらい場を厚めに作れるデッキであれば機能が望めます。


《強制脱出装置》
六武衆は弾き損ねた脅威に対する耐性が非常に低く、一度場に出た高打点1枚でそのまま圧倒されてしまいかねません。
また根本的な解決にはならずとも、ずらずらと打点を並べ上げ、開いたフィールドに攻撃を叩き込んでライフを削りきるプランもあります。


《神の警告》《神の宣告》
相手側目線に立つとシエンやナチュルビーストが立っている状況下では思い通りの展開が行いづらく、何とか防御を消費させようと無理やりな攻めが発生しやすくなります。
そうした状況下ではこれらの無効カードが非常に強く、他のデッキよりも強く使える場面が多々あります。
また六武衆は開闢の使者やダークアームドドラゴンのようなサイズが大きいモンスターが苦手で、処理手段が限定的です。
それらのカードを難なく弾ける無効スペルは大変重宝されますから、発動はなるべく控えどうしてもの場面まで温存することが望ましいです。
特に警告は本来は致命的な脅威であるゴーズの処理も任せられます。

エクストラデッキ


六武衆はエクストラの構築に大変悩まされるデッキです。
と言うのも、「確定枠」と呼ばれる枠が11枚ほどあるのに対し、5マッチに1回ぐらい使うかもしれないレベルのカードがそれ以上に存在するためです。
またそれらのカードは役割が完全に異なり、有る無しで勝敗に直結するレベルの裏目が発生します。


「確定枠」


1.《A・O・J カタストル》
カゲキ影武者の2枚コンボの対応力増加に貢献します。
六武衆は少ないリソースで戦うことを強いられ続けるため、次なる一手を待つ余裕がほとんどありません。
闇属性以外の全ての脅威に対する回答としてカタストルが貢献してくれる場面は少なくないです。


2.《ナチュル・ビースト》
圧倒的な魔法比率の高さを誇るヒーロービート・ラヴァル・アライブヒーローらに対して送り出します。
ご隠居影武者スタートに活人剣術が加わる場面において、シエンと共に一気に抑えを利かせに行くパターンもあります。


3.《真・六武衆−シエン》
召喚に成功するだけで勝率が飛躍的に伸びます。
効果ももちろんですが、高い打点が相手の回答の範囲をグッと狭めてくれます。
インゼクターには2400の打点を供給し続けるギガマンティスの存在がありますので、シエンの擁立はゲームの勝敗を大きく左右します。
警告されてしまうと二度と返ってこないので、送り出す場面は慎重に検討しましょう。


4.《氷結界の龍 ブリューナク》
影武者キザンで送り出すのはほぼパルキオンですが、単純に解決能力の高さを求められる場面もあれば活人剣術による再利用で2体目のレベル6が求められる場面もあります。
召喚権が二度必要となるため滅多にないのですが、ザンジ・イロウ・真エニシらと影武者を組み合わせる場面も存在するため、縛りのないレベル6シンクロは何かしら必要です。


5.《ナチュル・パルキオン》
今の環境で抑えに行くのは主にリビングデッドの呼び声です。
シエンを立てているシチュエーションで、こちらのアクションがドンドン通るようなら積極的にこれを送り出して攻め手の回数を限定しておきます。


6.《M.X−セイバー インヴォーカー》
2体のレベル3をレベル4(キザン)に変換できます。
ショックルーラールートを確保する上で重要な役割を持つ他、警告でライフが凹んでいる状態であればカゲキ+ご隠居(orカゲキor狼煙)+キザン(or荒行)からのブレードハートで6000ダメージのルートがあり、待ちの数が広がります。
これが入っていないとレベル3x2体でやれることはかなり地味で、その他のランク3モンスターはデッキの動きともあまり合いません。
バイスドラゴンが担っていた能動的に墓地に六武衆を落とすという役割も備えているため、ランク3枠としては必需とも言えるレベルです。


7.《No.39 希望皇ホープ
上記でインヴォーカー絡みの6000キルパターンを紹介しましたが、殺しきれない時はこのホープを立て、インヴォーカー・ホープの構えを取ります。
続くターンで再びキザン1体分の攻めを無償で確保できる手堅い布陣で、ビートダウン、主にヒーロービートに対して有効です。逆にこれ以外のランク4はほとんど無力で出す意味がありません。
単純に継続した打点が欲しい場面においてもこれを用います。


8.《インヴェルズ・ローチ》
聖刻に対して有効なのはもちろんの事、インゼクターやガジェットに対しても用います。
抑える対象はもちろん開闢・ダムドの2種で、ライフを奪った後のレベル4x2体は場に残しておく価値がないため一応のケアとしてローチに変換しておきます。
握れる防御の枚数には限りがあり、またサイズでの圧倒を基本としている六武衆においては開闢・ダムドの2種は打点の関係でも大問題です。
エフェクトヴェーラーやデモンズチェーンでは止められないため、そうした状況下においてはローチが有効に働きます。
ガジェット相手のマシンナーズフォートレス等、見れる範囲は狭いものの致命的な脅威が存在する相手には代えの効かない重要な役割を持ちます。
真エニシ以外の六武衆は相手ターンではただのバニラに過ぎないため、「ここを凌げれば勝ち」という場面においてはこの変換で保険を打っておくのが無難です。


9.《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》
シエンに続く第2の勝ち筋です。
レベル4を3体も揃えるのは随分骨が折れますし、シエンと比べれば圧倒的に頻度は落ちますが、召喚時のリターンが大きく、また折角六武の門を引けた場面でも伏せが弱かったりシエンが立たなかったりで突破されてしまう場面もキザン連打からのこれで解消することが可能です。
インゼクターに対して非常に効果的なので積極的に召喚を意識します。


10.《機甲忍者ブレード・ハート》
上に書いたインヴォーカーとの併用パターンが最も多い用途です。
インヴォーカーは守備表示でしかモンスターを特殊召喚できないため、追加したモンスターで打点に変換する必要があり、その面でブレードハートは打点稼ぎに有用です。
エクスカリバーは効果を使った次のターンで攻撃力が元に戻るため2ターンで出せる打点の最大値は6000ですが、ブレードハートは8800ものダメージを算出できますから、壁を排除しながらの攻撃時にはこちらを選択します。


11.《H−C エクスカリバー
用途は2つあり、1つは2体のレベル4モンスターを4000の攻撃力に変換すること。
4000も打点があれば倒せない事の方が稀です。ティラスのようなモンスターは主にこれで処理します。
2つ目は2体の素材を一気に墓地に送ることで、活人剣術の発動条件を一発で満たせます。
効果を発動しコストでモンスターを墓地に送った後、チェーンで活人剣術を発動すればチェーンブロックの関係で激流葬をかわせます。覚えておきましょう。


「検討枠」
《アームズ・エイド》
カゲキにヴェーラーをプレイされた際、手札にキザン・蘇生のようなカードが残っている状況で稀に欲しくなります。
カード消費の仕方自体は無茶苦茶ですが、できる・できないが時として致命的な問題になりえます。
最も多いのはヒーロービートに対するアクションです。
結束絡みの展開ないしはカゲキ影武者を狙いに行った場面で妨害を受けた際、キザンの特殊召喚効果を用いれば打点の底上げこそは行えるものの、返しのモンスターにカゲキを破壊されるだけでボードの優位は一気に失われます。
ここを蘇生ヴェーラーできれば、キザンにアームズエイドを装備しての2800打点で更なるカードの提示を求めることが出来、勾玉ないしは宣告があれば一気に勝利に近づけます。
インゼクターの投げてきたヴェーラーで開闢の召喚が濃厚と見れるケースも存在するため、ランク4のローチに行き着けるかも鍵となってきます。


《X−セイバー ウェイン》
相手ライフが残り僅かの状況において、手札にザンジやイロウが浮いていればウェインの召喚でその分打点を底上げできます。
影武者を追加してランドオルス・ローズに向かうルートもあり、入っていれば応用の利く1枚です。


《ブラック・ローズ・ドラゴン》
六武衆はメインデッキにサイクロンを用意するのが難しいデッキです。
そうなってくるとガジェットの繰り出す血の代償を破壊する方法がこれぐらいしかありません。
ラビット相手に勾玉を盾にした一層をかけるプランもあり、入っていればゲームを決める一打に繋げられる可能性があります。


《ナチュル・ランドオルス》
手札の魔法を防御に変換できます。
代えの効かない能力で頼りになりそうなものなのですが、このデッキの魔法カードはどの場面でも機能するようなものしか入っておらず、コストを確保するのが非常に大変です。
召喚に必要な師範自体も1枚しか入っておらず、場面が限定的であるため率先して投入するものではなくなっています。


《不退の荒武者》
対ビートダウン系統のデッキ相手に有効で、圧倒的な堅さを誇ります。
ですが、やはりレベル7のモンスターを送り出すというシチュエーション自体がそれほど多くなく、かつビートダウンデッキ相手限定となるとその機会はさらに減少します。
活躍機会の少なさから投入が躊躇われる1枚です。


《スクラップ・ドラゴン》
活人剣術絡みで影武者影武者キザンしか用意できない場面が稀にあります。
ブリューナクはとりあえずの解決能力となりますが、損もしますし打点の低さも気になるためそれほど信頼が置けません。ゆえに必要なケースが生じます。


《ミスト・ウォーム》
これもスクラップドラゴンとほとんど同じ理由です。
六武衆は少ないリソースで戦うことが前提となっており、それゆえサンダーブレイクのような損をする除去は採用できませんから、ブリューナクで除去を行うのも非常に苦しく、手札が足りなくなることもザラにあります。
活人剣術の関係で場のモンスターを利用した方が楽なケースも多く、必要になってくるケースが時折訪れます。


《ダイガスタ・フェニックス》
影武者しかモンスターが来ない、一般的に事故と言われるそのシチュエーションにおいて、ダイガスタフェニックスは一つの勝ち筋となります。
基本的には1500のバニラでしかないためあっけなくやられてしまうと考えられるかもしれませんが、元々早い段階でのフィニッシュを見ているデッキなだけあり警告・脱出のようなカードで強引なビートダウン達成を図る手段があります。
何度も上げているように、六武衆は少ないリソースで戦うことを前提としているため「何も出来ない」状態は絶対に避けなければいけません。
入っていなければ打点を800しか生まない貧弱なライン形成しか行えませんが、カード1枚の投入でそれを一気に3000まで引き上げることができます。


《虚空海竜リヴァイエール》
メインの状態では真エニシで除外したカードを戻すぐらいしか仕事がなく、かなり例外的な状況なのでほとんど考慮に値しません。
2本目以降にマクロコスモスを投入した場合は効果使用機会が飛躍的に増えるのですが、まず戻してこれるモンスターがほぼ全員バニラであることからまるで旨みが無く、単に横並びを実現できる程度の役割しか発揮しません。
主な投入相手となるインゼクターやラヴァルからも奪って嬉しい標的は何も無く、唯一合理的と言えるのは「連鎖除外された影武者を戻せる」という部分だけです。
この点に関してもエクシーズが登場した現在においては戦えないほど致命的なダメージを負ってしまうということもなくなっており、必要性は限りなく薄くなってきています。


《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》
ビートダウン系統のデッキ相手に勝率が激変します。
レベル3モンスターはそれほど入っていないため登場機会が少ないのはネックですが、ラビットデッキが繰り出してくる数多の除去に対し往々にし耐性があるのは大きな長所だと言えます。


《CNo.39 希望皇ホープレイ》
登場機会は0に等しいのですが、出る場面においてはこれ以外回答が無いに等しいため、そうした場面をケアしたいかどうかが採用の分かれ目となります。


《No.50 ブラック・コーン号》
調整段階において、ガジェットデッキがこちらのバトルフェイズで血の代償コストを払い続けた結果ライフが3桁となり、ブラックコーン号が入っていれば勝利と言う場面が2回ほどありました。
試行回数がそれほど多くなかったため踏み切れませんでしたが、可能性としてはありえること、また最悪ゼンマインを処理するという役割を持っていることからも、一応の採用価値はあります。


結果として、今回は調整の中で最も欲しいと感じた場面の多かったローズ・ランドオルス・ダイガスタ・アシッドの4枚を選びました。
本番で出したのはダイガスタのみです。他のカードが必要とされた場面はありませんでした。


サイドデッキ

メインデッキではなるべくたくさんのデッキに使えるよう丸い罠の採択が施されていますから、サイド後は対象となるデッキを絞り、より的確な1枚へと変更していきます。
そのためサイドの内容は罠の比率がかなり濃くなっています。
モンスター&魔法は変更できる場所が少ないので用意していても無駄になるケースが多いです。あらかじめプランを立てておいてスペースを有効活用しましょう。


冥府の使者ゴーズ
六武衆のゴーズはまず警戒されないため、ノーガードで構えたターンでも平然と召喚できます。
一度場に立ってしまえば速やかなビートダウンを達成する上でこれ以上ない打点を供給してくれます。


《ライオウ》
ガジェット・聖刻への脆さを補うために、ビートダウン寄りの採択を行っています。


《サイクロン》
結束・門の成否、相手の激流葬・警告の成立はゲームの勝敗に大きく影響します。
後手の場合はいずれの妨害要素もモロに食らってしまうため、このサイクロンを全力で投入してプランの成立を見ていきます。
他のデッキと同様、血の代償のような致命的な永続カードに対するメタ手段でもあります。


聖なるバリア−ミラーフォース−
《奈落の落とし穴》
基本的な除去です。
有効に使えるデッキ相手なら強制脱出やデモンズチェーンのような効力の低い除去と入れ替えで使用を図ります。


《大成仏》
インゼクターを意識する上では強制脱出やデモンズチェーンよりは遥かに有効な除去です。
枠がそれほど多く用意できないこと、開闢やダムドのような高打点には無力であることから枚数は抑えてあります。


《マクロコスモス》
インゼクター・ラヴァル相手に劇的な効果があります。
シエンとの組み合わせが非常に強力で、僕が六武衆を選んで使っていたのもこの部分に由来します。
結束や活人剣術とシナジーしない側面もありますが、成立している間は基本的に優勢であるため問題とされません。


《転生の予言》
マクロコスモスと同様のメタ対象を意識した採択です。
丸さを持たせるための除去が多くあるため、そのあたりと入れ替えを行っていきます。


《六尺瓊勾玉》
ヒーロービートに有効です。
デュアルスパークに対応する形で簡単にアドバンテージを稼げる他、他のデッキに比べ除去の枚数が多くあるため、伴い発動機会も多用意されています。

アーキタイプに対する戦い方

vsインゼクター
気をつけるカードはダークアームドドラゴン・開闢の使者・死者蘇生・リビングデッドの呼び声です。
十分数の防御が入っているためインゼクターの効果自体はまず阻止できるはずで、問題はそこに加わる追加の一手に対応できるかどうかと言う事になります。
シエンが通せれば蘇生系のスペルにも保険が利かせられる様になる為、この成立は防御だけでなく攻撃の抑止にも繋がりますから大変重要なアクションです。
大型2枚は常に警戒し、防御の使い方を慎重に検討していきます。
開闢やダムドを処理できるカードは貴重なため、神の警告・宣告は極力温存し、インゼクターにはなるべく安めの除去を当てるよう心掛ける必要があります。打点が成立している間はエフェクトヴェーラーを積極的に使用しましょう。
六武衆は返す力が非常に弱いため、高打点の成立を決して許してはなりません。
一度出てしまえばゲームが終わりかねないので、対処が難しいようならローチに向かうのも手です。


vsガジェット
メインデッキにサイクロンが無いので血の代償をめくられた時に神の宣告が無ければ敗北は必至です。
またマシン型の擁するマシンナーズフォートレスが対ビートダウンデッキにおいて鬼神の如き働きを見せるため、正直相性はかなり悪いと言えます。シエンに突っ込まれれば場の壊滅が確定します。
このマッチングにおいてはインヴェルズローチが非常に重要な位置付けを占めてきますので、安易な使用は避け、勾玉+防御等で安全に擁立できる場面を探り一気に仕掛けます。


vsヒーロービート
超融合が問題で、本来基本となる動きであるはずの盤面の安定化が破滅を招きます。
キザン・師範・真エニシの高打点で押すことを意識し、固めすぎるのを避けましょう。
アナザーネオスの破壊を積極的に試み、隙を見てナチュルビーストで蓋をしにいくのがベターな戦法となります。
大嵐を意識して伏せを最小限に抑えてくる傾向があるので、伏せを活人勾玉のみに抑えて一気に動き出し、荒行を絡めて詰めまで持っていくのも勝ち筋です。
難しそうならカゲキの守備で場を落ち着かせながら粘り強く戦い、伏せを剥がし切るプランを考案しましょう。
剥がし合いの中で発動されるヒーローブラストがアドバンテージ面で大きな優位を築かせてしまう他、例え勾玉等でのカウンターを図ったところで返しのミラクフュージョンが絶望的となるため、デュアルスパークでモンスターが場から消えること・神の警告でライフが2000減ること等を計算に入れながら同ターン内での詰めを確かなものとします。
シエンかナチュビをなんとか通して次のターンでワンチャンス、は絶対にダメです。かなり高い確率で超融合される上、止める術が無いので甘い見積もりは捨てましょう。


vsラビット
ほとんどミラーマッチのような感覚で、ラギアの2400・シエンの2500・オピオンの2550という微妙な攻撃力の違いが勝敗を分けやすいです。
こちらからの仕掛けは到って単純で、カゲキの守備で耐えられる間は耐え、上回る打点、エクシーズ召喚のみを除去で弾きます。
勾玉・大嵐が確保できるまでは無駄な展開は避けどっしり構えます。
1800以下の打点に人権が無いため、不用意な展開は本当に無駄です。アドバンテージをいたずらに失うだけの結果となるため、時には結束で引きに行く行為さえ意味を成さない行動になります。


vsアライブヒーロー
基本的には有利なマッチングで、ナチュルビーストとシエンが普段に増して強力な戦力になります。
ショックルーラーの魔法宣言もアリといくつかのモードで抑えが効く為、勝ちに行く場を意識して的確な動きをイメージします。
ただし、それ以外の展開は有効ではなく、単調なビートダウンは一転してワンキルデッキのカモと成り果てますから、ダメそうなら裏守備を置いて時間を稼ぐのが良いです。
その際は使えなさそうな罠を後ろにおいて除去を浪費させながらとりあえずの展開に移させ、後出しの脱出・デモチェで切り返すのが有効です。


vs聖刻
苦手です。シエンが立っていても平然と死にえます。
キザンを絡めたローチが主な勝ち筋です。荒行を用いて素早いローチを心がけます。
それができない場面ではなるべくモンスターを立てないようにしてトフェニの召喚機会を削り、いけるタイミングで一気に動き出しワンキルないしはショックorローチを目指します。
最近の聖刻は激流葬の採用があまり見られませんので、いけるタイミングを見極めて一気に仕掛けましょう。
その際はヴェーラーにだけ気を配る必要があり、カゲキからの仕掛けはNGです。ヴェーラー→トフェニで負け必至です。
何はともあれキザンが大変心強く、キルに失敗した場合でもローチの保険があります。
バトルフェイズ中の荒行で攻撃力をアップさせれば相手の計算を乗り越えてキルに辿り着くことも可能です。


vs聖刻リチュア・ゼンマイ
シエン・ナチュビ・勾玉が大嵐の勝ち筋さえ蓋をしてくれるため、「じゃんけんにさえ勝てば」大体取れるマッチングです。
ただサイドにGを取っていないため負けてしまえば敗色濃厚。サイドのスペースが絶望的と言うわけでもないので意識したい場合は挿しておくと良いです。
その辺りが積めれば4:6ないしは5:5までもっていけますが、無ければ2:8〜3:7で不利です。


vsラヴァル
ナチュルビーストが大変有効ですが、天敵となるトラゴーズが最も考えられるデッキであるため互いの脅威に対する対抗手段をどれだけ抱えれるかのゲームになります。
体感は六武側がやや有利です。ショックルーラーのパターンも取れるため仕掛けを能動的に行いやすく、ほとんど伏せてこないので門や結束がダダ通りの状態になります。

気をつけなければならないこと

六武衆は初めから終わりまで綱渡りの連続です。
アドバンテージを取り返す手段は皆無に等しく、門も結束も一度展開しきった手札では完全な死に札で、機能するのにそこから2〜3ターンはかかります。
2枚1組での動きを基本とするため単一で返せるカードも無く、一度崩れてしまえば終わりです。
ゆえに、動き出したら最後までゲームを掌握し続け主導権を渡さないことが鍵となります。
最初期の手札からドンドン動いていくため、少ないリソースで立ち回るのが基本です。効率の良い動き・カードの使い方一つ一つをよく抑えておく必要があるでしょう。



1.タイミング外しを積極的に狙う
六武衆には荒行・活人剣術の2種類のスペルスピード2を持つ召喚手段があります。
これらは当然何かにチェーンして発動する事が可能で、うまくチェーンを重ねれば激流葬や奈落の落とし穴のような除去を回避しながら展開を図れます。
荒行も活人剣術もエンド時に対象モンスターを破壊する効果を持っているため、それまでにシンクロないしはエクシーズを行う必要があり、結果的には除去を踏んでしまうと考えられるかもしれませんが、六武衆にはシエン・パルキオンと言った回避策があるため、その手前の段階で除去を回避できるのは大きな意味を持ちます。
基本的なチェーンブロック発生の手段は
1.増援・狼煙のようなサーチカード
2.結束や門の起動
3.エクスカリバーやブレードハートの効果
4.相手の何かしらの罠発動(エフェクトヴェーラー込)
があります。特殊召喚手段を抱えている時は一つ一つのタイミングで踏み止まって考えてみましょう。


2.謙虚に対するシエンの効果は積極的に使う
よく強欲で謙虚な壺を通す人がいますが、僕はこれをかなり高い確率で止めていて、8割〜9割ぐらいは無効にしています。
理由は単純で、3枚の中から最善を探られる方が問題だからです。
シエンの効果は1ターンに1回しか発動できません。それゆえに続く魔法罠の発動を恐れるかもしれませんが、仮にめくった3枚の中から激流葬やリビングデッドの呼び声のようなカードを手札に加えられた際、それらを警戒して続くターンも無効化を行えなくなってしまいますし、モンスターを加えられた場合は無効の選択肢を取ることすらできなくなります。
シエンは召喚した時点ではマイナスアドバンテージですが、1度何かを無効化すればそれも帳消しになります。逆に言えば何か一つ消しておかないと損を取り返せないということにもなります。
また逆に「使ってはいけない場面」というのも存在しますので、そこだけ抑えていれば無効にする意味も状況も自分で判断がつくようになるでしょう。
使ってはいけない場面の最たる例は大嵐で壊滅する場面で、充分量の伏せがあり謙虚で加えられたカードを確実に処理できる内容なのであれば別の部分に保険を効かすべきです。
つまり大嵐で壊滅しなければ謙虚は消しにいけるという訳で、先行のシエンが通ったからといって安易にガバ伏せをするのではなく、1枚2枚に抑えて浪費を誘ってみるのも手です。手札にエフェクトヴェーラーがあればむしろ積極的に狙っていくべきでしょう。
もう一つは「相手が瀕死の状態」です。次のバトルフェイズで仕留めれる目処が立っている状態で相手から謙虚がプレイされた場合は止める意味がありません。
特殊召喚を行えないため、何を加えてもほとんど解決にならないからです。
もちろんこれでセンチピードを加えられ、それが止めれないと言うような手札であるなら即座に無効を試みるべきですが、防御策があるなら通す方が無難です。


3.荒行のプレイタイミング
荒行は速攻魔法です。ゆえにどのタイミングでも発動可能で、相手の除去に対応して打つ等、色々あります。
中でも速攻魔法である事で最も恩恵を受けれるのが「バトルフェイズに発動できること」にあります。
相手の想定外の打点を生成してアドバンテージの発生を狙ったり、死なないと踏んで攻撃を通した場面で打ち込んで殺しに向かう他、エフェクトヴェーラーをかわしながらパンプ後のモンスターを呼び寄せるという役割もあります。
主にパンプしたカゲキがそれで、適当な発動を試みた結果ヴェーラーされてしまうとデッキ内に侍従が無いことを相手に確認させた後、エンド時に自壊してしまいます。
可能な範囲でケアを試みましょう。


4.状況次第では猿になることも必要である
ビートダウンデッキにおいて、激流葬は致命的です。
六武衆はアドバンテージを取り戻す術が無いに等しいため、極力これを回避しなければなりません。
ですが、それは回避する事が意味を持つ場合においてです。ただ恐れるだけダメです。
例えば、相手の先行で始まった1ターン目、謙虚でグルフ(他2枚は大嵐とサイクロン)を回収、3枚の伏せカードを置いてターンを終了してきたとします。
手札にはカゲキ・カゲキ・キザン・キザン・増援・荒行の6枚があり、相手の伏せカードが全てモウヤンのカレーなら問題なくワンキルできる状況です。
ただし1枚でも激流葬があれば、攻めに向かった場合、このゲームは終わりを見てしまいます。怖いですね。待つべきでしょうか?
僕はノーです。全部出します。
今回のケースに関しては、状況を端的に表すため謙虚での回収を非常に分かりやすくしました。
センチピードが出てこない以上手札はダンセルが濃厚で、次のターンにはダンセルグルフがほぼ確定しています。ターンを回せば大方これが行われるでしょう。
この手札ではこれを止める手段がありません。増援や荒行を伏せて相手のチキンプレイに委ねるプランが無くもありませんが、出されれば終わりです。3枚の伏せの中にリビングデッドや神の宣告が含まれていれば何のためらいも無く送り出されることでしょう。
現状、初動の警告・激流葬以外はほぼケアの利いている状態です。警告なら早いうちに使わせておかなければ次のターンのチャンスを生み出すことすらままならなくなります。
結果として激流葬を踏んだ場合「3伏せあるのにツッパしてきた」と小馬鹿にされたりすることもあるかもしれませんが、自分自身は激流葬を認識できており、かつそのリスクを考慮した上で、必要とされた行動に踏み出ています。恥ずかしがる様な事もありません。
計算された上での行為ならば、それは確かな戦略です。
必要ならば、自信を持って猿となりましょう!

以上です

環境のデッキにはそれなりに戦えますが、爆発力が門1本のみで、安定感もそれほどありませんから、わざわざこのデッキを選ぶ理由はあまりありません。
強いて言えばサイド後のマクロコスモス+シエンがインゼクターに対して非常に強力で、ラヴァルやドラグニティで取られる暗闇を吸いこむマジックミラー+スターダストドラゴンの組み合わせに並ぶかそれ以上の制圧力を見せてくれます。
LCS当日もこれがよく刺さり、対インゼクターを4勝1敗、勝ったゲームは全てストレートで勝利しました。
インゼクターはメタに対して非常に脆く、何かしらの手段での打開に賭けている面がありますので、ゲームプランをしっかり持って臨めばどんなデッキでも打ち崩せると思います。
罠デッキはあまり好きな方ではないのですけど、六武衆はなかなか面白いデッキです。
活人剣術の米版ウルトラがカッコいいのでオススメですよ^−^


それではまた!