2012年9月制限環境のメタゲーム総括

2012年8月

新制限が発表され、前環境を席巻した甲虫装機・HEROビートの2デッキが大幅に弱体化しました。
例に倣い、生き残り組であるガジェット・水精鱗がそのままトップメタの座に立ち、その他多くの第2・第3勢力によって暫定的なメタ構成が行われた格好です。
9月の実施に先駆けたトーナメントでは多種多様なデッキが見受けられ、先に挙げた2大トップメタを初めとし、聖刻・アライブHEROと言った前環境の引き継ぎ勢力、カラクリ・暗黒界・六武衆のような温故知新の選択まで、過去と現代の入り混じる混沌とした幕開けとなりました。


第7回カード王CS優勝【聖刻】いごろーさん
http://ameblo.jp/card-oh-namba/entry-11339251130.html
第7回カード王CS優勝【暗黒界】王子さん
http://ameblo.jp/card-oh-namba/entry-11339241967.html


環境初頭らしい伸び伸びとした構築が目立ちます。
初頭の段階においては自分の狙いをよりストレートに実現できる構築が好ましく、その理由としては、強いデッキタイプの予想はついても、世間の情勢がそれと一致するとは限らないためです。
事実この頃の入賞リストには非常に多種多様なデッキタイプが羅列されています。
時間が経過し、各所の結果が出揃う事で情報基盤が整い、認識の一致・メタの固有化が徐々に進んでいく訳です。


2012年9月

12年9月制限が本格的に始動。
ガジェット・水精鱗両者が環境に合わせてその精度を増していき、徐々に力の差を広げていきました。


第2回KnifeCS優勝【ガジェット】みらーふぉーすさん
http://ameblo.jp/knife-ryo3529/entry-11397619559.html
第2回カード王岡山CS【水精鱗】フォレストさん
http://ameblo.jp/broly-card-oh/entry-11364620867.html


各々のデッキが成熟を見せた上で差が生まれるとすれば、やはりそれはデッキパワーの一言に尽きます。
特に前環境で一線を張ってきたガジェットは並大抵のデッキでは歯が立たず、この時期のトーナメントで高いアベレージを記録し続けました。
天敵であった甲虫装機が消え去り、ギアギガントXを筆頭とした強固な盤面を解決できるデッキは非常に限定的で、水精鱗のデッキ選択に拍車をかける形でメタの固有化は一層激しくなっていきます。





ガジェット・水精鱗の隆盛極まる中、そのアンチ勢力として暗黒界が徐々にシェアを拡大していきます。
両者の攻撃面の主力を軒並み受け付けない《暗黒界の龍神 グラファ》の存在際立つマッチングですが、その中に見られる《魔のデッキ破壊ウイルス》の存在は両デッキに対して高い効力を発揮しました。
特にガジェットに対しては絶大なダメージが望め、HEROビートやカラクリ、遂にはガジェットそのものがこの《魔のデッキ破壊ウイルス》を取り込み始めた事から、構築的命題の一つにガジェットの攻略が掲げられていたことを窺い知れるでしょう。


第2回京都CS優勝【カラクリ】J-SPEED
http://kyotocs02.blog.fc2.com/blog-entry-16.html
第2回カード王岡山CS【HEROビート】くらうどさん
http://ameblo.jp/broly-card-oh/entry-11364628715.html


両者共に《サイバー・ドラゴン》を軸に据え、その延長線上で《魔のデッキ破壊ウイルス》発動を意識しています。
ジャイアント・オーク》+《魔のデッキ破壊ウイルス》のような強引な狙いでは、デッキの狙いに無関係なオークのみをドローしてしまった際に著しく動きが鈍化してしまう欠点がありますが、《サイバー・ドラゴン》であればそれ単体が確かなメタとして成立しており、そこに付随する形で決定打となる《魔のデッキ破壊ウイルス》を狙っていける格好です。
また、環境初頭から着々と進んでいたメタの固有化により、トーナメントで戦う事になるデッキタイプもある程度の予想がつくようになりました。
それゆえ局所的なメタデッキもちらほらと見受けられるようになり、対ガジェット・水精鱗を意識したデッキ群がこの9月でハイアベレージを記録しています。


第2回京都CS優勝【TG】アーサーさん
http://kyotocs02.blog.fc2.com/blog-entry-16.html
第2回カード王岡山CS優勝【マシンビート】A1さん
http://ameblo.jp/broly-card-oh/entry-11364626773.html



2012年10月〜11月

EXTRA PACK 2012がリリースされたことにより、環境が一新。
《魔界発現世行きデスガイド》の存在により、暗黒界はよりパワフルなデッキへと昇華、《レスキュー・ラビット》規制の影響で沈静化していたラギアデッキは息を吹き替えし、長きに渡りデスガイドが支配し続けた海外環境をここ日本に再現した格好となりました。


第6回YOT優勝【ガイドラビット】そとうちさん
http://ameblo.jp/gongondaioh-yugioh/entry-11379834500.html
第3回くわの家CS優勝【暗黒界】ショウイチさん
http://yugioh1234.blog.fc2.com/blog-entry-33.html


この流れの中で最もインパクトが強かったのは、間違いなくゼンマイの登場です。
ゼンマイは海外環境において非常に人気の高いデッキでしたが、日本のそれは先行第1ターンで5枚の手札を刈り取る別物のデッキ。
似て非なるそれがどう生まれ変わるのかイマイチピンと来なかったプレイヤーも多かったことかと思います。
実際のところ、ゼンマイは実にぶっ飛んだデッキで、当時のトーナメントシーンに劇的な変化をもたらすことになります。







リリース直後の大会でこそ、会場でちらほら見かけられる程度の存在に留まっていましたが、構築の基盤、展開パターンなるものが確立されるや否や、一躍トーナメントシーンのトップに躍り出たのです。
緻密に計算された展開パターンにより、先行展開から後手の1ターンキルまであらゆる盤面を実現できます。《No.69 コート・オブ・アームズ》のようなカードが平然と使われる光景がイメージできたでしょうか。
海外より飛来したこの勢力は、日本独自のチューニングが成され大幅なグレードアップを遂げます。《発条空母ゼンマイティ》の制限規制などものともしないほどに。
この影響により、サイドデッキには《増殖するG》《エフェクト・ヴェーラー》が標準的に搭載され始め、そして遂にこれらのカードはメインデッキの段階で見られてもおかしくないようなカードとなりました。
いかにゼンマイが驚異的な存在であったのかが窺い知れる変遷の様子だと言えます。


ラグナロクCS準優勝【ゼンマイ】グロスさん
http://ameblo.jp/ragnarok-nara/entry-11404289070.html




環境が海外勢力に塗り替えられ行くその一方で、ここ日本より真新しくもたらされた選択肢も確かに存在しており、東海CS2012秋(http://tokaigumi.main.jp/tokaics/)にて披露されたギアギアと魔導がそれにあたります。
両者共に使用率こそ高くないものの、以降のトーナメントを制する程の成熟を見せ、2012年9月制限における環境デッキの多彩さを語る上で欠かせない存在となりました。


第5回岡山CS優勝【ギアギア】A1さん
http://04351992.blog48.fc2.com/blog-entry-340.html
第4回TokyoCS優勝【魔導】キムさん
http://tokyochampionship.web.fc2.com/result_4th.htm#1_1


EXTRA PACKのリリースを機に、デッキの選択肢は大きく広がりを見せ始めました。
この頃のトーナメントではありとあらゆるデッキ群が上位に立ち並び、非常に混沌とした様相を示しています。
制限の施行から十分な時間が経過したことで、環境におけるカードプールが浸透し、模索されつつあった選択肢の一つ一つが成熟した格好です。
上記2デッキに関してはその経緯をたまたまダイレクトに受け取ることができたため、その様子からも「環境の成熟」を感じることができました。


2012年12月

《増殖するG》《エフェクト・ヴェーラー》《群雄割拠》《御前試合》等々、徹底したメタにゼンマイの活躍が陰りを見せ始めた頃、環境にある変化が訪れました。
突如としてトーナメントシーンに浮上したヴェルズこそがこの変動の立役者であり、始まりの狼煙は日本列島の遥か西・九州の地で上げられることとなります。


浮き輪グランプリ優勝【ヴェルズ】くましょーさん
http://blog.livedoor.jp/float0-kyusyu/archives/20498054.html


11月末にリリースされたデュエリストセットでは、デュエルターミナルで取り扱われたテーマの1つであるヴェルズとセイクリッドの再録が行われ、その両セットには1枚ずつの新規カードが収録される事になりました。
《セイクリッド・ソンブレス》、それに《ヴェルズ・ケルキオン》です。
高いスペックを有したこれらは両テーマデッキのポテンシャルを飛躍的に向上させ、各地で続々と成果を上げるに至り、この12月は急速なビートダウン環境への推移が成し遂げられる転機となりました。
月末、火付けの地となった九州では過去最大級となる個人戦・Tetsu ChampionShipが開催され、参加者400人超による群雄割拠のトーナメントが繰り広げられましたが、その上位にもビートダウンが立ち並ぶ結果となっています。


第6回TCS優勝【ヴェルズ】J-SPEED
http://iamthebornofmycard.info/blog/?p=23575
第6回TCS準優勝【HEROビート】Rさん
http://iamthebornofmycard.info/blog/?p=23577
第6回TCS4位【炎星】じゃるさん
http://iamthebornofmycard.info/blog/?p=23583



高打点の維持を容易とし、その上で速度を兼ね合わせるビートダウンデッキという天敵の登場を受け、ゼンマイはその数を急速に減らしていきます。

【ゼンマイとビートダウンデッキの関係性】
ゼンマイは《ゼンマイマジシャン》を軸としたコンボに大きく依存したデッキであり、単体のステータスが低く、コンボデッキゆえに妨害要素の影響を大きく受けます。
単純な迎撃カードによる妨害は《カードカー・D》《ゼンマイマニュファクチャ》がもたらすアドバンテージを基盤に、《サイクロン》《ナイト・ショット》《リビングデッドの呼び声》らを交えた手数で突破が可能でしたが、《増殖するG》《エフェクト・ヴェーラー》と言った手札に構えられる妨害要素に対しては回答が少なくなっています。
メインギミックを墓地の利用に置いたデッキに対しては《次元の裂け目》のようなカードで対抗できますが、手札誘発に対するメタのみを目的とする投入は現実的ではありません。
コンボパーツが増えていますし、コンボがスタートして初めて機能するサポートカードは、それまで実質的なアドバンテージを失うだけの死に札となります。
特にビートダウンデッキのような速度のあるデッキ相手に序盤の死に札は致命的な問題に繋がりかねません。
ゆえにこれら手札誘発に対しては展開を一度停止し、続くターン再度攻撃を開始するプランを取ることが主となってくるのですが、ビートダウンデッキ相手だと踏みとどまった隙に場に残った要員を一掃されてしまいます。
この攻め手を捌き切るだけの罠を用意できれば良いのですが、ビートダウンデッキは序盤からの押し込みに長けており、十分な用意を行えないまま見切り発車的な形でゼンマイ側が仕掛けを強いられる場面が非常に多いです。
ヴェルズのような突破力に長けたデッキはその中でも非常に驚異的な存在であると言えます。

その一方で、水精鱗がその数を徐々に回復し始めています。
同月開催のジャンプフェスタ2012にて追加された《獣神ヴァルカン》《アーマー・カッパー》の登場がこの増加に後押しをかけた格好です。
これまで水精鱗は《ヴェルズ・オピオン》に対して有効な回答が少なく、やや押され気味の傾向にありましたが、この《アーマー・カッパー》登場により回答の数が飛躍的に増加、盤面解決能力が大きく向上しています。

【水精鱗の解決能力向上】
《アーマー・カッパー》登場があるまで水精鱗は《ヴェルズ・オピオン》を除去する手段が非常に限定的でした。
《深海のディーヴァ》をもってしてもその解決には結びつかず、《深海のディーヴァ》+《海皇の狙撃兵》や《深海のディーヴァ》を2枚重ねて持ってもこの突破がままならなかったのです。
リリース以後はカッパーを通して《海皇の重装兵》を墓地に送るだけで簡単に処理が可能となりました。
これはヴェルズがこれまで水精鱗に対して絶対的な信頼を置いていた《次元の裂け目》を潜り抜けながら取れるアクションで、その《次元の裂け目》そのものの破壊さえも可能としています。
この事態を受け、対水精鱗に対するメタの手段は《次元の裂け目》から《ソウルドレイン》や《スカル・マイスター》へ変化していきます。

リリースから約半年を経てようやく水精鱗の構築は確立されつつありましたが、それと同時に逆側の「対水精鱗戦術」も確立されました。
《アビスフィアー》を警戒した《サイクロン》の扱いがそれに当てはまりますが、定石となり始めたこの傾向を逆手に取り、水精鱗側に構築の変化が発生しています。

【水精鱗の構築変化】
水精鱗に対し《サイクロン》のような伏せ除去カードを気軽にプレイすると、《アビスフィアー》のチェーン発動でたちまちアドバンテージを稼がれてしまいます。
ゆえに伏せカードの事前除去は控え、セットカードを《アビスフィアー》前提として動き出すプレイが主となっていますが、この「伏せカードが除去されづらい」という点を利用し、防御カードを活かす戦術が取られるようになりました。
現在の環境には3枚の《サイクロン》が存在しており、僅かばかりの罠を搭載するだけではその標的を作り出す事にしかならなかったのですが、上記の理由が合理的な採用理由を生み出したのです。
直接的な除去を積み増すことで《海皇の狙撃兵》の攻撃を通しやすくなる他、場のモンスターを維持することで浮ついた《ジェネクス・コントローラー》を積極的に活用していけるなど、付加価値として多くの恩恵を受けています。

第5回大阪杯優勝【水精鱗】封神さん
http://kinkicsmini.blog74.fc2.com/blog-entry-54.html


2013年1月

年を開けての1月。
前月大躍進を遂げたヴェルズでしたが、ゼンマイ同様その存在が際立つほどに、メタは激化していきます。
《A・ジェネクス・ドゥルダーク》《聖なるあかり》《プライドの咆哮》等々局所的なメタが増え始め、ビートダウンデッキにはメインデッキの内から《禁じられた聖槍》が搭載され始めました。
極めつけは対抗馬として現れた炎星の存在です。
同月にリリースの「V JUMP EDITION 8」によってもたらされた新戦力も後押しする格好で、高い戦闘力を持つ炎星は「ビートダウンを狩るビートダウン」の立ち位置を確立していきます。


関東フェスタ準優勝【炎星】スタースクリームさん
http://shockmaster.seesaa.net/article/314670831.html


《暗炎星−ユウシ》の除去能力、《炎舞−「天セン」》に代表される戦闘サポートカードがビートダウンミラーの圧倒優位を支えています。
1度役目を果たした炎舞はその後もフィールドに残り続け僅かばかりの攻撃値補正をもたらしますが、ビートダウンデッキ同士の戦いではこの「僅か」な数値さえ決定的な差を生み出します。
ヴェルズデッキは元来《ヴェルズ・ヘリオロープ》に代表されるよう、他のビートダウンと比較して頭一つ抜け出したステータスの高さを売りにしていましたが、その数値は数百あるいは数十の差異で、演舞のもたらすプラス修正で逆転の範疇にあります。
更に《暗炎星−ユウシ》《勇炎星−エンショウ》は戦闘の結果から更なるアドバンテージを発生させますから、1度の戦闘成否がゲーム展開を決定付けかねません。



ヴェルズと入れ替わる格好で炎星が急速にシェアを拡大する一方、相対的に立場を向上させたのが炎王です。


関東フェスタ優勝【炎王】ディスさん
http://shockmaster.seesaa.net/article/314670754.html


《炎王神獣 ガルドニクス》は対ビートダウンデッキにおいて目覚ましい活躍を見せます。
運用の上で懸念の存在であったヴェルズは炎星の流行から数そのものを減らしており、仮にマッチングした場合でも炎星エンジンにより互角ないしそれ以上のゲーム展開が期待できます。
炎星デッキは前面のやり取りで圧倒的な強さを持っていますが、その前面脅威の駆逐に特化したガルドニクスは非常に驚異的な存在です。
リリース直後は手札に引いてしまった《炎王神獣 ガルドニクス》を処理するのにロクな有効牌が無く、《サンダー・ブレイク》のような無茶を通していたのですが、《炎王獣 ヤクシャ》が登場し安定感が飛躍的に向上しました。
《熱血獣士ウルフバーク》が加わることでゲームプランの安定化と勝ち筋の増加が行われ、この月に入り急激な強化が成されています。
これらの動作は《炎舞−「天キ」》による関連付けが可能で、《暗炎星−ユウシ》の存在と合わせ、状況に応じた柔軟なプレイを可能としています。





また、ひとえに炎星と言えどその形態は様々であり、上記に挙げた《暗炎星−ユウシ》らレベル4モンスターを基軸に据えるものから、《炎星師−チョウテン》《立炎星−トウケイ》のギミックを前面に押し出したレベル3基軸のもの、そして両者をハイブリットしたものまで幅広く存在しています。
レベル3軸の構築ではエクシーズ以外にも《炎星師−チョウテン》を用いたシンクロルートも用意されており、中でも《獣神ヴァルカン》は上記に挙げた炎王の《炎王神獣 ガルドニクス》のバウンスが可能となる点もポイントの一つです。


第6回バンズストア四条寺町CS優勝【3軸炎星】A1さん
http://bssijyouteramatics.web.fc2.com/resipi0127.html


ビートダウンデッキが基調とする戦闘の概念において炎星は圧倒的に強く、同じ角度でのやり取りではまるで割に合いません。
かつ、《暗炎星−ユウシ》《微炎星−リュウシシン》《炎星師−チョウテン》らがもたらす能動性が相手に依存しない基盤の強さを支えており、攻め・返しの2面で強力なアクションパターンを有しています。
仕掛けのリスクの少なさに然り、炎星には「強いデッキ」の条件として挙がる要素が多く見受けられます。
海外ではリリースされたばかりのセットですから、規制の線も薄く、現在積み重ねられているノウハウは来るべく新制限後の環境においても活き続ける事でしょう。


ヴェルズが築いたビートダウン環境は、それを食らう炎星によって瞬く間に支配されていきました。

終わりに

この2012年9月制限で起きた変遷の様子をザックリまとめます。


1.環境初頭、前環境の生き残り組であるガジェット・水精鱗がリード
2.EXTRA PACKがリリースされ、強化されたゼンマイ・暗黒界が幅を利かせる
3.メタが激化し両者が衰退、新たに現れたヴェルズがビートダウン環境を築く
4.ビートダウンに強いビートダウン・炎星が徐々に頭角を現す
5.VEによって強化された炎星が一躍トップへ、派生も生まれ環境が一色化し始める


昨年9月から今日日に至るまでの様相です。
流行⇒研究⇒回答⇒普及⇒衰退⇒次なる流行のサイクルが成され、回り続けるメタゲームを分かりやすく見て取ることができます。
近年、Duel Entranceによりトーナメント―シーンの全国的な情報基盤が確立され、twitterskype等のコミュニケーションツールを通して地域を跨いだ議論が活発に交わされるようになりました。
それに伴い、結果を残したリストは各所で徹底的な解明が進められ、風化の速度は年々加速してきています。


この2012年9月制限も残すところあと僅かとなりました。
デッキ選択、カード採択両面において、今期は実に幅広い選択肢が存在しましたが、時々の傾向次第で環境の毛色は大きく異なります。
環境全体像の理解、適応した選択、実戦における反映等々、隅々に渡り、確かな正解を導き出す事で、初めて結果を手にすることができます。
しかしながら、この激動の時代においてはそれも一過性のものでしかないことは、非常に流動的であった今期の様子からも見て取れるかと思います。
無数に存在する大会結果はあくまで結果に過ぎず、それらは過去のものであると同時に、皆々が見知った、共有された知であり、前提条件です。
今一度上記に挙げたリストに目を通して見ると、勝ち組のリストには必ずそうなった理由が存在しており、そこに至るまでのメタゲームに対する考え方こそが、今後のトーナメントシーンを戦う上で必ず必要とされるではないでしょうか。


メタゲームは今後も繰り返され続けます。
過去のデッキやプレイング(≠基礎。特定の立ち回りを指します)は原則使い古されていくものですが、メタに対する考え方や分析の手法は今後もきっと生き続けるはずです。
本稿がその一助となることを願っています!


ご覧いただきありがとうございました^−^