3.基本戦略

ドラゴンを取り揃えるための手段として、今回は征竜モンスター4種12枚に加え《封印の黄金櫃》《竜の渓谷》《竜の霊廟》を各3枚ずつ、計21枚を用意しました。デッキ枚数の半分を占める数値です。
「多過ぎるのではないか」との意見も受けますが、上記の目的を達成する上では僕はこのぐらいが妥当な枚数だと認識しています。
調整結果に基づく経験則ではありますが、4色キープに向けて確実性を持たせるためにはより多くの枚数が必要で、僕はここに《テラ・フォーミング》や《おろかな埋葬》を加えても良いぐらいだと考えています。


《封印の黄金櫃》
《ドラゴン・アイス》+《魔轟神キャシー》のコンボが注目を浴びた頃から徐々に採用率が伸びてきている印象ですが、僕はドラゴンサーチカードの中だとこれが1番好きですね。最も強力とさえ思っています。
黄金櫃の強みは「アドバンテージを獲得できること」にあります。
2ターン後に除外した征竜の本体が加わることが確定しているため、初めに除外で加えた征竜はコストとして除外しながら同属性ドラゴンに変換してしまえますし、速効性が必要なら櫃を発動した瞬間にそれらにアクセスすることも可能です。
最も旨みが出るのはサブ効果も利用するパターンで、以下が一例です。

1ターン目、櫃でレドックス1枚目を除外し2枚目のレドックスをサーチ
→2ターン目、2枚目のレドックスを除外しながら他の征竜の効果を発動、3枚目のレドックスをサーチ
→3ターン目、スタンバイフェイズに櫃で除外したレドックス1枚目を回収、先ほどのターンに回収した3枚目のレドックスと合わせてディスカードし、蘇生効果を使用
→4ターン目、墓地のレドックスの1枚を除外しながら他の征竜の効果を発動し、幻木龍を回収

今回の構築はサーチカードの多さに反し、除外のコストとして使用できるドラゴン本体の枚数は18枚と少なめです。
上記の例のように、手中のリソースを最大限まで拡大して「使い切ること」をイメージするのが理想で、黄金櫃はこの方針に大きく貢献してくれます。


《竜の渓谷》
これも黄金櫃同様単一でアドバンテージを稼ぎ出す見込みのあるカードです。
各征竜を除外してサーチを行いつつ、渓谷で除外に使った征竜を墓地に落とし直すことで、渓谷の効果は「1ターンに1度デッキ内から任意の4属性ドラゴンを1枚手札に加える」効果になります。
渓谷の役割は「コルセスカと4色を獲得する」だけではなく、「デッキ内のドラゴンが続く限り、それら全てを対象にアドバンテージを稼ぎ続ける」、デッキ内指折りのパワーカードです。
《六武の門》までとはいかずとも、《黒い旋風》や《ゼンマイマニュファクチャ》とは同等のレベルにあると言えます。
ミラーマッチにおいても脅威的な存在であり、《スクラップ・ドラゴン》で破壊を試みるケースも少なくありません。
そしてこの除去に最も便利なのは、竜の渓谷自身によるフィールド魔法の張り替えです。
不安定なメタカードを積む訳でもなく、パワーカードに対してパワーカードをぶつけることで、一方的なアドバンテージを稼ぎながら除去を達成できます。
単体が強力なカードであると共に、世間の流行がこの渓谷にある以上は「使う他選択肢が無い」1枚だと言えます。


《竜の霊廟》
他2種に比べやや見劣りの感じられる1枚ですが、安定感は最も高いです。
単独で2枚のドラゴンを稼ぎ出す点は黄金櫃と変わりませんが、効果を消費した状態でリソースに加えるそれと異なり、速効性の面でメリットを有しています。
初動にも最適で、リソースの広がり切らない最序盤では非常に重宝します。
ターン1制限があるにも関わらず重複を考慮して《おろかな埋葬》と分けた採用を行わないのは、それだけ「2枚」を落とす効果が重要視される理由となるからです。
実際にゲームを体験すれば、霊廟が最適解となるケースには何度も遭遇することになるでしょう。
遅れが発生する可能性のある黄金櫃、サイクロン等のチェーンにより失敗するリスクのある渓谷に対し、裏目無く確実なアプローチを掛けられるのがこの霊廟です。
またサイド後のゲームでは《王宮の鉄壁》の存在が黄金櫃の価値を引き下げます。
霊廟にはこれと言った裏目が無く、地味ながらも確実な働きを見せてくれます。


今回の構築はこうしてふんだんに採用したサーチカードを使った「最序盤からの4色成立」を狙いに置いており、第1ターン目から征竜のデッキパワーを活かしきる事を目的としています。