6.リソース管理

今環境の征竜は本当に素晴らしいデッキだと思います。(メタの偏りはさておき)
この言葉は「単純に強いから」という理由ではなく、遊戯王と言うゲームをプレイするにあたり求められる、基本的な技術の習得と理解を促進する性質を征竜デッキが内蔵しているためです。
単なるカード枚数の次元ではなく、残りライフ、脅威の成立、墓地状況、デッキ内残リソース等々、全体を包括した「アドバンテージの概念」を理解する教材として、最適なレベルにあると言えます。
征竜には簡易的にアドバンテージを増やす手段が少ないため、使用できるリソースを拡大し、減り行くデッキ内の残存リソースを考慮しながら相手を倒しきる計画性が強く求められます。
ゲーム中手にするリソースを最大限まで広げ、効率的なカード消費を理解することが必要不可欠でしょう。
そしてその実現に最も大きく貢献してくるのが、各種征竜自身です。
征竜はいずれも3つの効果を有しています。
1.手札・墓地からの特殊召喚効果
2.除外された時のサーチ効果
3.各種サブ効果
3番目のサブ効果が上記に挙げた効率的カード消費に貢献し、リソースを拡大していく大きなポイントとなります。


《巌征竜−レドックス》
ドラゴンリソースを消費しない蘇生効果は後半の展開を見る上でも利便性が高く、1色の消費のみで済むため同ターン中に8シンクロや7エクシーズの攻め手を多段で組めます。
征竜効果の中でも一際強力な部類のため、黄金櫃によるサーチの優先度も高く、手中で重なった際にも全く無駄になりません。初動における増殖するGの確認、幻木龍の獲得など役割も多彩です。
レドックスでGが確かめられれば、レドックスは倒されずに手札に戻ることも多いため、サブ効果の利用機会増加に繋がります。


《瀑征竜−タイダル》
幻木龍のコピー対象になります。
無暗に除外して幻水龍との組み合わせを狙わずとも、必要に応じてランク7エクシーズと使い分けが可能です。
エクシーズ先がドラゴサックならテンペストの除外コストにもなり、8エクシーズを狙った場合よりも消費が少なくエコです。回転している色の種類が少ない状況においてはこちらのルートの方が安定的です。
(ただし、ドラゴサック1枚構築の場合は積極的に行うプレイではなく、やむを得ない場合のみ行います。理由は後述のドラゴサック項で述べます)
サブ効果の墓地落としは一見地味ですが、今回の構築のテーマとしている色の確保に貢献してくれますし、4色が揃った後でも上記で解説した「サーチカードの有効利用」に基づき、好きなドラゴン効果に変換できます。
ドラゴンの数も増加するため、時にはテンペスト効果でタイダルを重ねる事もあります。

【補足:テンペストでタイダルを重ねる】
テンペストテンペスト・タイダルの手札でテンペスト効果→タイダルサーチ→タイダル効果の手順。
テンペスト効果で直接他色の征竜を獲得しに行くよりもドラゴンが1体多く増える。除外コストとしてだけでなく、幻水龍がタダで手に入った格好。


《焔征竜−ブラスター》
征竜内最高打点兼永続脅威の破壊担当で、屈指のスペックを誇ります。
サイド後苦手としている《王宮の鉄壁》《ソウルドレイン》の二大脅威を取り払える他、メインからの《虚無空間》等のイレギュラーケースにも対応でき、征竜デッキにおける肝となっています。
サブ効果の中でも唯一相手のカードに直接触れる事のできる効果で、ブラスター2枚を捨てつつ相手のカードを処理できれば実質0:1交換、タダでカードを破壊できます。
また征竜の宿敵《ヴェルズ・オピオン》を突破する鍵であり、確実性を持たせるために月の書や強制脱出装置と組み合わせる事が理想で、この組み合わせであれば《侵略の汎発感染》《禁じられた聖槍》《禁じられた聖衣》《安全地帯》の全てをケアできます。

【補足:4種ケア】
チェーン1:ブラスター
チェーン2:聖衣(or 安全地帯)
チェーン3:月の書(or 脱出装置)
チェーン4に汎発(聖槍)を発動した場合、月の書と同時に自分の聖衣を打ち消すのでブラスターが有効、2枚目以降の聖衣(安全地帯)を発動しても、月の書(脱出装置)で裏側となるためブラスターは結局有効。


《嵐征竜−テンペスト
サブ効果に関して、リソース拡大の面ではタイダルと類似したものになりますが、手札にそのまま加わる分竜の渓谷や七星の宝刀のコストに変換可能な他、デブリドラゴンのプレイ等、利点は多くあります。
またコストとなる風属性のモンスターも竜の渓谷からのコルセスカで要件を満たすことができ、発動の頻度は他に比べて高い部類だと言えます。
ビートダウン相手に鍵となってくるブラスターの破壊効果起動もテンペストのサーチ効果を絡めることで達成しやすくなります。
手札へのサーチはサブ効果の利用に繋がるため同色を重ねても損がありません。


上記のような征竜効果の運用他、プレイした征竜を用いて4属性orドラゴン族のエクストラモンスターに変換することでリソースの維持に努めます。
プレイするモンスターは盤面状況次第となり、時にはギガンテックファイターやメンタルスフィアデーモンのような墓地リソースとしての運用が不可能なモンスターに頼って行く他無い場面も発生しますが、ドラゴンの流れを維持できるゲーム展開を意識して盤面を築くことが大切です。
自分のプレイするエクストラモンスターによって相手側の対応も変化するため、「こうした場合相手はこうする」を常に考えながら取捨選択をこなしていくことが重要となります。