7.エクストラデッキ

そして肝心のエクストラデッキですが、15枚の選択には非常に気を使います。
有り無しでゲーム結果が分かれるものが多く、相手によって使い分けられるようサイドデッキのいくつかをエクストラモンスターに割くことを何度も検討しました。(KnifeCSでは実際に取り入れています)
リストをシェアしたメンバーともこの部分は意見が分かれており、同じデッキと言えど考え方やプレイの方針は各自で異なるため、自分のプレイスタイルに合わせベストな選択を行えるように見極めを行っていく必要があるでしょう。


《レッド・デーモンズ・ドラゴン》
守備表示のレドックス・閃コウ竜スターダスト・ギガンテックファイター・《森羅の守護者アルセイ》・《スケープ・ゴート》と言ったカード群をケアするのに必要で、代えが効きません。
高耐久の相手にスクラップドラゴンを使い出すは悪手で、征竜ミラーなどではギガンテックファイターのカモにされるリスクがあります。
壁として配されるレドックス相手に一々除去を試みていては自分のカードが減り行く一方です。
悩ましい1枚ですが、実戦を経験すると思った以上に有効にプレイできる場面が多く、少しでも余裕があるなら用意すべき1枚だと言えます。


《スターダスト・ドラゴン》
搭載されていないリストをよく見かけますが、罠型には必須のモンスターだと考えています。
罠の採用枚数が多いため手札に集中することも珍しくなく、神の宣告無しでガバ伏せを築くには必要不可欠です。
攻撃面に関しても閃コウ竜と異なり激流葬のケアが不要なため、返ってきたターンでゴリゴリ展開して行けるのも強みです。
閃コウ竜では博打となりがちなブラスター→幻水幻木(フェルグラント)→テンペストの一斉ラッシュも、スターダストの横でなら伏せの上からごり押せます。
除去も2枚までならケアできるので、攻撃面でも非常に信頼が置けますね。


《メンタルスフィア・デーモン》
強制脱出装置や次元幽閉が予測される場面において必要になります。
主にアライブHEROやヴェルズ相手になりますが、最近の水精鱗にも上記罠のメイン採用が目立つため、《水精鱗−アビスリンデ》の処理と合わせてのプレイが有効です。
とは言え、求められる場面が非常に限定的で、他のエクストラカードと比べても頻度は極めて低いです。
愛知の2連戦を終えた時点で召喚した回数が0回であったため、「理論的には必要だが実戦的ではない」と判断してアウトを決めました。
環境のデッキシェアが分散するようなら必須の枠だと思いますが、征竜ミラーで溢れかえった現在においてはその限りではないでしょう。


《スクラップ・ドラゴン》
プレイ頻度が非常に高く、返し手から押し込み、1ターンキルまであらゆるパターンにて召喚機会が訪れます。
相手の除去を確かめるのにも有効で、ドラゴサックと合わせて帰還のような大型アクションのお供も努めます。


《クリムゾン・ブレーダー》
対征竜戦において高い効力を発揮し、効果の成立がゲームを終わらせるレベルの力を有していることから、このケアは必須となっています。
定石通りにゲームが進めばこの効果が成立することはまず無いのですが、月の書や相手側の帰還(ブラスター効果などで帰還を抜いた際に強制的に標的が並ぶ)、《ゴーストリック・フロスト》のケア等、ブレーダーで無ければならない場面がいくつか存在するため、どうしても必要になってきます。
水精鱗やライロ征竜のように比較的簡単に詰んでしまうデッキも存在するため、幅広いマッチングを見る上でも必要不可欠です。


《閃コウ竜 スターダスト》
恐らくプレイ頻度No.1のモンスターで、攻守両面で非常に頼りになります。
同様に除去をケアする純正スターダストと異なり、戦闘面の脅威にも耐性があることが利点です。
ドラゴンまみれの手札の初動を任せるには打ってつけで、後続の展開のサポートもこなします。


《エン魔竜 レッド・デーモン》
一般的には最強の返し手ですが、征竜ミラーでは主にライフレース開始の合図の意味合いが強いです。
先出し側が不利と言ったような見解がありますが、牙王や星態龍、幻水幻木からの8エクシーズ等除去の手段が増え始めた現在、この嵌め方が必ずしも征であるとは言えません。
テンポ面で考えれば先に3000ダメージの発生した受け側が圧倒的に不利です。
先出しエン魔で相手のエン魔を誘発し、返すターンドラッグルーオンから一気にゲームを決めにかかる流れも存在するため、ゲームテンポも重要な要素を担うからです。
後述のアームズエイドの利用も含め、僕はゲームメイクに積極的な先出しエン魔を用います。


《星態龍》
エン魔竜や《神樹の守護者−牙王》に勝るステータスを有し、自身の能力も相まって戦闘面で最高峰のポテンシャルを持ちます。
流行りの《ゴーストリック・フロスト》もケアでき、ここ最近価値を伸ばし始めた1枚だと言えます。


《ジェムナイト・パール》
《励輝士 ヴェルズ・ビュート》
デブリドラゴンから幻木龍を釣り上げることでプレイ可能となる4エクシーズです。最大打点と全体除去の2パターンを用意しました。
特にビュートは苦手分野のあらゆるケアになり、ブレーダーモードの返し、永続抑え込みの打開等々、メインギミックで絶望的な状況を一撃で優勢まで持っていけるスペックを有しています。
パールは打点的な解決だけでなく、フェルグラントが生き残った返しのターンにフェルグラント+ブラスター(orタイダル)+パールの1ターンキルが存在します。

【補足:4エクシーズプレイルート】
幻木龍もデブリドラゴンもデッキには1枚しか投入されていないカードですが、多量のサーチカードがいくつかの通り道を用意してくれています。
とは言え、理想形は幻木龍を幻水龍と掛け合わせるなどして自然な形で消費した後、その後続でデブリドラゴンを星態龍+8シンクロか4エクシーズに使い分ける事です。
しかし、時にはゲームスピードや相手側の妨害によりその手順を踏めないケースが出てきます。
主にヴェルズを筆頭としたビートダウンデッキとの対戦がそれに当たりますが、そうした状況下では幻木龍を直接墓地に落とし込み、最速の4エクシーズを目指すことになります。


■幻木龍を墓地に落とす
・タイダルサブ効果
・竜の渓谷
・竜の霊廟


デブリドラゴンを手札に加える
テンペスト効果
テンペストサブ効果
テンペスト+宝刀
・封印の黄金櫃


上記のいずれかを組み合わせ、デブリ幻木の展開を狙いに行くことになります。
この際、手札にレドックスをキープできていれば脱出装置をケアできます。(※墓地に蘇生対象が存在していることが条件。主に霊廟でフレムベル+幻木を落とした際に利用)
デブリドラゴンをバウンスすると続くターンで再びデブリドラゴンをプレイされるため、特別な事情を除けばバウンスが行われるのは十中八九幻木龍となることから。レドックスのコストが自動で確保され、そのまま使えます。


《No.11 ビッグ・アイ》
返しの脆さが際立つため闇雲なプレイは禁物ですが、相手の閃コウ竜の処理には効果が絶大です。
返すターンの脆さは奪った閃コウ竜が補填してくれるため、ブレーダーされるリスクもなく、相手側から見ても非常に厄介なフィールドを築くことができます。


《幻獣機ドラゴサック》
征竜の強みの一つでもあるドラゴサックですが、今回の構築ではスペースの都合1枚しか枠を用意できていません。
ゲーム中の消費が1枚で済むような工夫が必要になります。
つまり、出せる場面で出すのではなく、出さなければならない場面で出すのが重要です。
ドラゴサックに向かう事自体は簡単です。タイダルとレドックスの2枚があれば、幻木龍をサーチすることで簡単にプレイできます。
ですがこのタイミングで幻木龍を消費した場合、このゲーム中幻水幻木のエクシーズをプレイすることはほぼ不可能となり、攻め手が一つ潰えます。
その上で、ゲーム後半にデッキ内のチューナーが尽きた頃、墓地に除外コストこそあれど肝心のドラゴサックがエクストラデッキに無く、攻めあぐねる場面も出てくることでしょう。
構築的に2枚目を取ることで強引に解決する方法もありますが、他のスロットもフル活用しており現実的はありません。
元を辿り、初めに前提としたタイダル+幻木龍の流れが必ず必要かと言われれば、まずそこが絶対では無いと考えられます。
初動のドラゴサックは魅力的なスタートでもありますが、タイダルスタートとなるので増殖するGに対して脆く、クリムゾンブレーダーを考慮するとこの後の盤面構築が難しくなる問題があることから、優先すべきアクションでもないと結論付けています。


《聖刻神龍−エネアード》
スクラップドラゴンと同様、攻め手・返し手・1ターンキルの3本を一人で担うパワフルなモンスターです。
攻撃力3000の高ステータスであるため場に残すことに懸念もなく、除去必須の脅威ですから、相手側に回答を強要できます。
対象を取らない効果の性質上除去の消費を誘いやすく、相手の対応を見るのにもってこいの存在でもあります。


《No.46 神影龍ドラッグルーオン
有する効果の性質上利用はほぼミラーマッチに限られますが、その内容はいずれも強力で、各々の効果に基づいたゲームプランを持ちます。
先出しと後出しの両展開に対応しており、どちらもランク8エクシーズを行う上で申し分ない性能です。
■先出し
ドラゴン効果の封殺は一見すれば地味ですが、ルーオンを除去する手段として考えられるレモン2種・スクラップドラゴン・トリシューラ・幻木龍からのドラゴサック&ビッグアイを封じ込めるため、広範囲をケアできます。
場に残すことに成功すれば、続くターンは召喚権を温存した状態でかつ、手札からドラゴンを特殊召喚する効果を絡めた攻撃展開が可能になります。
キルを恐れて壁を配そうにも、ドラゴン族ではコントロールを奪われてしまうため非常に厄介な布陣です。
ただ決して盤石という訳ではなく、ブラスター効果や牙王・星態龍・征竜2体からのドラゴサック&ビッグアイ、激流葬・脱出装置に爆風等々裏目が山ほどあり、積極的に向かうものでもありません。
いくらか罠があれば守り切れる目もありますが、相手の手札も罠に寄っていたり、大嵐を握られていた場合は大きな痛手を被ることになるでしょう。
「先出し」というだけであって、「先攻展開」の意味合いではなく、消耗戦の中上記に挙げたようなカードがないと判断できた場合に踏み切るべきプランです。
■後出し
ルーオンの持つ効果の中で一際強力なのが「ドラゴンのコントロール奪取」能力です。
この手の効果にありがちな「ターン終了時まで」「表示形式を変更できない」「攻撃できない」のいずれの制約もなく、奪って起こし殴っての全てがこなせます。
ルーオン自身の攻撃力が3000もあり、奪ったドラゴンの数値にもよりますが、後1体ほど征竜を追加すれば十分キルに到達できる範囲です。
征竜効果を1度も用いていないため、仮に除去されても2〜3体のドラゴンが墓地に落ち、多段的な仕掛けも容易となります。


《神竜騎士フェルグラント》
ビートダウンデッキに対して滅法強く、特殊なカードを使用しない限り簡易的な処理はほぼ不可能で、複数枚のカード消費を絶対としています。
こちらは後続にメインギミックを控えているため、このフェルグラントの擁立中も征竜の展開を図ることでプレッシャーを与え続け、消費を激化させる狙いです。
フェルグラント+ブラスター程度の展開であればリスクも少なく、激流葬やミラーフォースされてもフェルグラントを守れば0:1交換でアドバンテージが発生します。
2体のアタックが通ればフェルグラントないし征竜の攻撃1回で仕留められるライフ圏に落ち込むため、ほぼノーリスクでリーチをかけることができ、返すターン相手側に回答を強要できます。