東京CSから読み解く環境最先端! part1

はいどうもこんばんは!
不定期にはなりますが継続して何か書いて行こう…という事で。
今回は先月行われた東京CSの結果を踏まえて、環境の最先端を徹底解明していきたいと思いますo≧∀≦o
記事自体は東京CSの翌日ぐらいから執筆を開始したのですが、多忙が重なりなかなか投稿に至らず、途中天使ストラクチャーがリリースされたりいくつかCSが執り行われたりと、もはやこれが最先端なのかどうかはとても疑わしいところでして、投稿せずに破棄してしまおうかとも考えたのですが、折角長々と書いたものをおじゃんにしてしまうのは気が引けましたし、勿体無いので公開する事にしました。笑
そんなこんなで若干出遅れた感の否めない時期外れの記事ですが、おさらい程度の気持ちでご覧になって頂けると助かります。


話を戻しまして、対象となるのはこの東京CSで上位入賞を果たした4チーム12名のデッキ。
そのリストしか情報源ないというのが1番の理由ですが、現環境の何たるかを把握するのにはやはり勝ち上がったデッキに目を向けるのが最も効果的なはずです。
僕の持論として、トーナメントで勝ち上がったのには何かしらの理由が必ず存在しているはず、というものがあります。
たまたまやまぐれが重なっただけでトーナメント8回戦で結果を出すのは不可能です。
勝ち組になるための秘訣がそこには必ず隠されています!
大会結果やリストに目を通す際はその辺りを意識してみると面白いですよ。
少なからず、運やなんやと決めつけて思考停止してしまうよりはずっと生産的です。


それでは早速、肝心の結果の方をチェックしてみましょう。

  A B C
1位 六武衆 TOKYOデブリ 旋風BF
2位 ファントムノーレ 六武衆 ライトロード
3位 六武衆 六武衆 TOKYOデブリ
4位 TOKYOデブリ 六武衆 旋風BF


真六武衆がリリースされた直後の東海CSでは独自ルール「3枚制限」が適応されており、環境始めの指針とするにはいささか気の引ける状態でしたが、今回の優勝チームの組み合わせは奇しくも東海のそれと同じ。環境的には三つ巴の構図が成立した事になります。
ファントムノーレやライトロードのような異彩を放つデッキが並んでおり、一見すると圧倒的なパワーを危惧されていた六武衆が一辺倒にのさばるような環境には成らなかったように思えますが、それでも大会当日は多くのプレイヤーが六武衆を選択していて、上位12人のうち5人が六武衆を使用している手前単純なデッキパワーはかなりのものです。
また2位チームのファントムノーレ、4位チームの旋風BFが不振であったという話を踏まえてもチームの勝ち柱として安定した勝ち星を供給していたのは間違いないはずです。


六武衆同様高い人気を誇ったのが先日鮮烈デビューを果たした新星・TOKYOデブリ
当日会場を見て歩いた感じでは六武衆程とはいかずともかなりの数を見つける事が出来ました。
中には植物族に特化したりクイックダンディへと回帰する形も見られましたが、そのほとんどはベーシックなタイプで、teamTOKYOのデザインした元々のデッキの完成度の高さが伺えます。


そして3強の最後の一角を担うのが旋風BF。
旋風BFが環境に根付いてからもうどれくらいの時が経ったのでしょうか?
昔の遊戯王には質の良いカードを選りすぐって集めたグッドスタッフならぬ「スタンダード」というデッキタイプが存在しましたが、露骨なデザイナーズデッキののさばる今の環境で敢えて標準的なデッキを定義付けるのであれば、この旋風BFこそがそれに相応しいと思えます。
何はともあれ非常にバランスの取れたデッキで、僕は旋風BFというデッキを表わす際に常々「安定の塊」という言葉を使う事にしています。
例えどんな環境に移り変わろうともその高い安定性がデッキの基盤を支えている手前、ほんの少しのチューンで成果を見い出せるのですからまさにその言葉の通りです。
続く記事で詳しく取り上げますが、今回もまたほんの少しの変更しかなされていないのです。それがこの旋風BFの持つ力です。


それではここから件の3強を順を追って紹介していきます。
サンプルとなるリストを取り上げながら細部に渡って話を進めていきましょう。

六武衆

東京CS3位/ちゃみ

モンスター(12枚)
六武衆の師範×2枚
六武衆の影武者×3枚
真六武衆−キザン×3枚
真六武衆−カゲキ×3枚
メタモルポット

魔法(20枚)
六武衆の結束×3枚
六武の門×3枚
増援
成金ゴブリン×3枚
紫炎の狼煙×3枚
死者蘇生
月の書×3枚
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(8枚)
連鎖除外(チェーン・ロスト)
神の宣告
神の警告×3枚
諸刃の活人剣術×2枚
ダスト・シュート

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
X−セイバー ウェイン
ギガンテック・ファイター
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ナチュル・パルキオン
ナチュル・ランドオルス
ブラック・ローズ・ドラゴン
真六武衆−シエン×2枚
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク
不退の荒武者

サイドデッキ
サイファー・スカウター×2枚
パペット・プラント×3枚
ブラック・ホール
王宮の弾圧
群雄割拠×3枚
連鎖除外(チェーン・ロスト)
六尺瓊勾玉
六武衆−イロウ
六武衆の師範
六武衆の理


《六武の門》による一斉展開、それに《真六武衆−シエン》を擁した強固な守り、といった2種類の戦い方を有するのが「六武衆」です。
《六武の門》《六武衆の結束》が絡んだ回りは特に強烈で、先行の時点でアドバンテージ差が6枚近く離れてしまう事もさほど珍しくありません。例え後攻でも《ハリケーン》絡みで一瞬にしてゲームを終わらせる事も可能です。
またそうでなくとも一度場を作られてしまうと突破は非常に困難で、魔法罠の無効効果に加えて除去耐性まで持ち合わせる《真六武衆−シエン》は構築レベルの段階で環境に影響を与えています。
《六武衆の結束》は攻守の両方に有用な大変優れたサポートカードで、攻めの際は《六武の門》との武士道カウンター共有が展開を後押ししますし、ドロー効果は新たな攻め手の確保にも貢献します。
守りの際はドローを進める事で新たな防御カードの獲得に繋がり、攻めに転換するための諸要素を引き込むのにも役立つ訳です。
六武衆の動きはこの永続魔法2種が引けているかで大きく左右され、その重要性は《成金ゴブリン》の採用にも表れています。
僕は現状この《成金ゴブリン》を六武衆の必須カードの一つだと捉えていて、もちろんデッキを37枚の圧縮に繋げる意味合いもありますが、《メタモルポット》や《ナチュル・ランドオルス》など細かいシナジーが望め無駄になる事がほとんどありません。
ビートダウンデッキとしての側面も持っているためライフ回復が痛手となる事も多いのですが、それを考えてもなお採用する価値がある1枚だと思います。


このブログで六武衆の話を取り上げるのは初めてになりますから、一応初歩的な部分にも触れておきましたが、そういった基本的な動きは今の遊戯王をやっていれば嫌というほど思い知らされている事でしょうから、この辺りで止めておきます。
ここからは本題の勝ち組となり得た理由に移行します。
本来勝ち組とあらば優勝チームの六武衆を紹介したいところなのですが、僕は彼の不振を知っているので敢えて紹介を避けました。
今回推しておきたかった《成金ゴブリン》の搭載も見られたこちらのタイプをサンプルとして挙げた事を先にご了承ください。



1.《強欲で謙虚な壺》
まず今回上位入賞を果たした六武衆の傾向として、ざっと目を通してもらえばわかると思うのですがどのリストにも《強欲で謙虚な壺》が入っていません。
早い段階での展開を持ち味とする六武衆にはこの特殊召喚の規制が致命的で、特にミラーマッチの蔓延する現状を考えればその問題は深刻化しますし、《紫炎の狼煙》《増援》が安定した展開を保証してくれているので《強欲で謙虚な壺》が不要と判断されたのも必然的な流れだったのかもしれません。
今回六武衆を使用した多くのプレイヤーがその結論に達したようです。
また六武衆のリストを組み上げるに際し、少なからずの影響を与えた東海CSの上位リストもその一つの要因として挙げられます。
3枚制限の影響によりどのリストも《月の書》を満足に使えておらず、《真六武衆−シエン》の抑え込みに向かう際の一つの判断基準となるこのカードは六武衆にとって率先して採用したいカードですから、この枠を確保するためにデッキの意向に合わない《強欲で謙虚な壺》が選ばれたという経緯は当然あります。



2.《神の警告》
次に、六武衆というデッキを語る上でやはり欠かせないのが《神の警告》の存在です。
このカードは六武衆だけでなくそれの加わった環境そのものを象徴するカードであるとも言えます。

僕は知る人ぞ知るライフコストカード嫌いで、《盗賊の七つ道具》の1000ライフすら許せない男です。
そんな僕でも六武衆における《神の警告》だけは積みました。そのぐらい大事なカードなんです。
モンスターの召喚全般を無効にできるこのカードはその点だけ見れば最強レベルのカウンターで、登場当初は随分と注目を浴びたものですが、徐々にその評価を落とす事になりました。何故でしょうか?
それはデメリットとして存在する「2000ライフの支払い」が考えていたよりもずっと深刻だったからです。
遊戯王と言うゲームにおいて、ほとんどのデッキは相手ライフポイントの8000を削り切る事を念頭に置いたデザインがなされますから、ライフの支払いという概念は相手の勝利条件達成の補助に繋がると言う見方もできます。
また「2000」という数字は昨今の下級アタッカーに求められる攻撃力の指標、《BF−蒼炎のシュラ》や《真六武衆−キザン》の持つ「1800」が他と比べて比較的高い数字である事からもその値の大きさが伺えるでしょう。


そしてカウンター罠の持つ最大の欠点「既に展開された脅威に対して無力である」という点に加え、その脅威が一定の打点を有していた場合、展開次第では大きくライフを事となり、結果としてライフを2000以下まで落としてしまうと「発動不可能」といった最悪な状態に陥ってしまいます。





そんな《神の警告》ですが、前述したように僕は六武衆におけるこれを高く評価しています。
その理由は先に説明した《強欲で謙虚な壺》の不採用とも関連しているのですが、「素早い展開をウリにしている」事が挙げられます。
六武衆はその特殊召喚機会の多さから非常に早い段階でフィニッシュないしは場を完成させる事が可能で、強力な動きを可能にしていますが、その裏側には「一度展開してしまうと後が続かない」という欠点も存在しています。
各カード間のシナジーや強力な展開に目を奪われてしまいがちですが、個々で各カードを参照していくとどれも単体としての性能はイマイチなものばかりです。
《六武衆の師範》は他に六武衆がいなければ召喚すらままなりませんし、《真六武衆−キザン》《真六武衆−カゲキ》はそこそこ数字が高いバニラ、《六武衆の影武者》もチューナーとしては優秀な部類のステータス・能力を持っていはいますが単体で戦う事はまず考えられません。
そして《六武の門》や《六武衆の結束》のようなキーカードもそれにカウンターを載せる六武衆モンスターが揃って初めて機能するカードです。
よって一度場にカードを展開して手札を使い切ってしまうと、場に《六武の門》や《六武衆の結束》のようなカードが残っていない限り後から引いてくるカードにはロクに期待が持てません。
展開に移るのであれば、相手を確実に仕留め切る明確なビジョンを持っていなければならない訳です。


そこでこの《神の警告》です。
先で述べたようにライフの支払いを考慮しなければこれは最強クラスのカウンターですから、早期フィニッシュを念頭に置いているこのデッキではとても相性のいいカードで、《真六武衆−シエン》が攻め入る際に不安要素ともなる《冥府の使者ゴーズ》や《トラゴエディア》まで無効化できるのですからもはや積まない動機を探す方が困難です。
《真六武衆−シエン》では触ることのできない「モンスター」を止める事が出来るのも好相性とされる理由の一つです。
また六武衆モンスターが持つ特殊召喚効果は「自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で存在する」事を前提としていますから、初動の召喚を止めてしまえばそのターン中は仕掛けを行えない事がほとんどです。
《神の警告》はミラーマッチに対する確かな解答の一つでもあるのです。
デッキの動きに沿っていて、なおかつ環境意識まで行えるのですから文句の付け所がありませんよね。


最後にサイドデッキに目を向けます。
六武衆はテーマデッキゆえに種族が揃いも揃って「戦士」で統一されていますから、《増援》こそ制限ではありますが種族統一の特権《群雄割拠》の使用が可能です。

3.《群雄割拠》
主にシンクロ召喚の抑制に使われるこのカードは、種族が見事なまでにバラバラなデブリダンディ相手に劇的な威力を発揮しますし、逆にデブリ側はこれに対する的確な解答を用意しておくことが絶対条件です。
現環境で種族を散らしながらシンクロ召喚に依存しているデッキはこのデブリダンディぐらいで、メタの範囲を非常に限定した1枚ではあるのですがその分効力が非常に高く、上位入賞した六武衆の5人のリストを合わせても11枚の《群雄割拠》が投入されています。
ただし、このカードを使う際に是非とも気をつけたい点が一つ存在していて、コントロール奪取系のカードに対しては注意が必要です。
過去に裁定が二転三転したこのカードですが、発動中は種族の異なるモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚こそ抑えられるものの、《精神操作》を筆頭としたコントロール奪取系のカードの発動は可能で、その場合はコントロールを奪取したモンスターの方が墓地に送られる事になっています。
現環境のコントロール奪取系カードと言えば《パペット・プラント》がそうで、仮に相手の手札にチューナー・リリース要因が存在しない場合でも適当な戦士族以外のモンスター+《パペット・プラント》を用いる事であらかたの戦士族は除去されてしまいますし、《真六武衆-シエン》も例外ではありません。
このような「友情コンボ」の発生は非常によく見られる展開で、発動には同時にリスクが存在している事も把握しておきましょう。



4.《連鎖除外》
《連鎖除外》は現環境のキーとも言える1枚で、今一世を風靡しているTOKYOデブリは《リミット・リバース》からの大量展開がウリですが、奇しくも対象となるステータスが攻撃力1000以下で一致しており、非常に的確なメタとなっているのです。
《連鎖除外》はシンクロの失敗だけならず後続のモンスターの存在そのものを消してしまうため、デブリをメタるには打って付けの1枚です。
この《連鎖除外》ですが、六武衆相手にも一応有効で《六武衆の影武者》を一通り除外してしまえば相手はシンクロ絡みの展開を断たれてしまう事になり、状況次第では高いステータスのモンスターや《魂を削る死霊》のような強固なカードを突破できなくなる「詰み」まで発生し得ます。
それを見越してか上記のリストには1枚だけですがメイン採用までされています。
僕の今回の《パペット・プラント》メイン採用に関してもそうですが、特定のデッキの数が明らかに多いと判断できる状況下でなら、思い切ってメインからメタを寄せていくのは十分にアリです。
多種多様なデッキの見られる公認大会等では気の引けるこの一手も、本命の持ちこまれやすい大規模CSでは成果を上げやすいでしょう。


続いてはミラーマッチ、つまり六武衆に対するメタの手段についてです。
サイドチェンジ後は《真六武衆−シエン》をいかに対処するかが最大の焦点で、魔法罠の無効・破壊に対する身代わり効果と最強レベルの性能を持ち合わせるこのカードには有効とされる解答が少なく、採用されるカードは他のデッキでも共通している事が多いので、一部の例外を除いて一挙にまとめて紹介しておこうと思います。


まずは大本命《パペット・プラント》から。

5.《パペット・プラント》
《真六武衆−シエン》を倒す手段は、強力な魔法罠カードを2枚使用する以外ではモンスター効果かカウンター罠に頼る他ありません。
それでいて身代わりによる破壊耐性をかいくぐり、2500という高いステータスを乗り越えるというのは困難かつ限定的で、少しの無理が入っているように思えます。
実際この《真六武衆−シエン》の攻略法に頭を悩ませたプレイヤーも多いはずです。僕自身も何度カードプールを見直した事か…
《パペット・プラント》はそんな限定された解答の中でもかなり優秀な部類です。
六武衆はデッキのほぼ全てが戦士族モンスターで構成されていますから腐る事はまずありませんし、シンクロモンスターを除けば一通りのコントロールを得る事が出来ます。
現状僕はこの《パペット・プラント》を対六武衆における最良の解決策と考えていて、当然そう考えるのは僕だけではありませんし、同じ結論に至ったプレイヤーも多いようで、上位12名のデッキに使われていた《パペット・プラント》の枚数はなんと26枚!
MAXが3x12の36枚ですから、使用率は7割にもなります。
次点となる《サイファー・スカウター》が12人合わせてもたったの6枚にしかならないのですから、いかにこれが強力なメタとなり得ているのかが理解できるかと思います。
《パペット・プラント》を有効活用する方法は当然奪ったモンスターを何かしらの方法で墓地に送ってしまう事になりますが、主な対象となる《真六武衆−シエン》がレベル5と非常に使いやすいレベル粋である事からシンクロ召喚に利用するのが最も無難かつ効果的でしょう。
《BF−極北のブリザード》や《ゾンビキャリア》と合わせれば《ブラック・ローズ・ドラゴン》に、《グローアップ・バルブ》や《スポーア》と合わせれば《氷結界の龍 ブリューナク》や《ゴヨウ・ガーディアン》になれます。
シンクロ以外にはリリースの方法もあり、《BF−暁のシロッコ》や《六武衆の師範》を用いてこれを行います。
シンクロに比べるとリターンが少ないのですが、シンクロの場合は展開したチューナーを《月の書》されたり《神の警告》されてしまうと《真六武衆−シエン》を見す見す返してしまう結果にも繋がってしまうので、リリースは裏目が少なく確実な処理方法だと言えます。
また六武衆同士に限った話になりますが、《六武衆の理》という選択肢も存在します。

6.《六武衆の理》
この主な用途は相手の対象を取る除去から自らの六武衆を逃がしたり、バトルフェイズ中に発動して攻撃済みの六武衆を召喚し直す事で追撃を掛けたり…といった攻撃的な運用方法になるのですが、このカード、相手の墓地の六武衆も対象に取る事もできます。
相手が《死者蘇生》や《六武衆の師範》の回収効果を発動した時なんかにはもちろんの事ですが、《パペット・プラント》でコントロールを奪った相手の《真六武衆−シエン》をこれでリリースしてしまい、その《真六武衆−シエン》を蘇生対象として選択できます!
一応どちらかのプレイヤーの墓地に六武衆が存在しないと発動自体が不可能と言う制約があるのですが、《真六武衆−シエン》のシンクロ召喚を行った手前まず墓地には六武衆モンスターが落ちている事でしょうから、その心配は無いはずです。
《パペット・プラント》で奪った《真六武衆−シエン》の処理に成功しつつ、そのまま勝ち筋に繋げられるのですから、ミラーマッチにおいては非常に強力な1枚です。
また六武衆を墓地に送る効果はコストであるため《神の警告》でカウンターされても《真六武衆−シエン》の処理自体には成功しているので損がありません。
さらに、一度場から逃がす効果は相手の《奈落の落とし穴》や《月の書》を回避してその後の展開に繋げる事が可能で、その際《六武の門》や《六武衆の結束》が発動してあればカウンターまで載るおまけ付き。
相手の《パペット・プラント》を回避する事もでき、サイドチェンジ後は大いに活躍が望めるカードです。



7.《サイファー・スカウター
お次は《サイファー・スカウター》です。
先に挙げた《パペット・プラント》と《六武衆の理》と比べ、《サイファー・スカウター》の利点となりうるのは「単一で機能する点」です。
何かしらのカードと組み合わせて機能する両者に対し、《サイファー・スカウター》はそれ1枚で十分な活躍が望め、一度《神の警告》のようなら召喚無効をくぐり抜けてしまえば凄まじい制圧力を披露します。
その《神の警告》に関しても「戦闘を行う」事がステータスアップのトリガーになっているため裏守備表示から入るという選択肢もありますし、例え読まれたとしても相手はこれを突破する選択肢を手に入れるまで攻めを行えませんから、既に十分な仕事を果たしていると言えます。
ここまで読むと欠点らしき欠点は見当たらず、前述したような採用枚数に圧倒的な差が生まれる要因など無いように思えるのですが、もちろんそこには理由が存在します。
それは、「戦闘有利が戦士族に限定されている」こと。当然の事ですがとても大事な事です。
要は「シンクロ召喚」という抜け道が用意されており、六武衆には《六武衆の影武者》、それをサーチする《紫炎の狼煙》、そしてそれらを使い回す《諸刃の活人剣術》と、シンクロ召喚をサポートするオプションがふんだんに用意されていて、かつそれにアクセスするのが容易であるため、その「抜け道」を易々と通過してきます。
一たびシンクロを行えば機械に海竜、サイキックにドラゴンだのと戦士とはかけ離れたモンスターがわんさか存在しますから、ここまで来るといよいよもって《サイファー・スカウター》は戦力外です。
しかしながら欠点らしき欠点と言うのもその程度で、解答としては非常に優秀な部類ですから《パペット・プラント》の項で述べた「奪ったモンスターの処理方法」に困るデッキなら積極的な採用を図っていくと良いでしょう。
ヒーロービートのような罠寄りのデッキにとっては悪くない選択肢です。
ただ、シンクロやリリースのような処理方法を持たないデッキに対しては、多くの場合《次元幽閉》のようなカードの投入がなされている事でしょうから、その辺りの事情を頭に入れた上で構築を考えていく必要があります。
現在は《パペット・プラント》の存在がかなり広く浸透しており、安直な《真六武衆-シエン》を避ける戦い方や《六武衆の理》のような受けが考え出されている状況ですから、僕の中では裏目の少ないこの《サイファー・スカウター》の評価は上昇傾向にあります。


そして最後に紹介するのは一撃必殺のとっておき、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》です!

8.《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
先に言っておきたいのですが、これを最後に回した理由は最後まで紹介するかどうかを迷っていたからです。
先入観を持たせてしまうのは良くない事で、カードの可能性をないがしろにしてしまうのは避けたいのですが、そんな心情を打ち砕いてしまうぐらいに、僕はこのカードをオススメしません。
ただ一応上位リストにはこの《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の名前が見られましたし、ここで紹介を避ける訳にはいきません。やり切らせて頂きます。
既にしつこいぐらいに口にしている事ですが、《真六武衆−シエン》を対処できる方法は非常に限定的で手段が限られています。
この《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》もそうして限定された手段うちの一つではあるのですが、これには大きな問題点があります。
それはもちろん《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》自体が大きすぎる事で、攻撃力3000という数値は圧倒的です。
さらに《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を特殊召喚したターンは自分は召喚を行う事ができませんから、少なくとも1発は3000のダメージを受ける覚悟が必要です。
その覚悟を持った上で、次に考えるべきはその3000を対処する方法です。
結局のところ相手の脅威を解決するのに回り道をしている訳で、《真六武衆-シエン》を即座に退ける事のできる速攻性や得られるアドバンテージ面は大いに評価できるのですが、その後の事も考えていくとこの解決に費やす手間が召喚の成立時に得た速攻性とアドバンテージとを食いつぶしてしまうケースが頻発します。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は出したがそのまま殴り切られてしまった、なんていう試合を実際に何度か目撃している手前、この問題は目を瞑っていいほど簡単なものでもありません。
メタの手段はストレートでかつ最大効力を見ていくべきですが、それ以前に効率的でなければなりません。
この《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は一段階の回り道を踏んでしまう以上正解からは少し離れている気がします。




以上、東京CSにおける六武衆のまとめでした!
次回は期待の新星「TOKYOデブリ」についてお話したいと思います。
環境全体の総括、今後の展望に関しては3強の解説を一通り済ませてから行う予定です。
それではまた次回。