9.採用しなかったカード

《ドラゴン・アイス》
あまり選択肢を持たないタイダルサーチの対象となる点は素晴らしいのですが、場に出てきたドラゴンアイスに使い道が無いことが多く、無暗にチューナーを掛け合わせると非効率的な動きになりかねません。
《ドラグニティ−ピルム》を採用しなければ8シンクロには繋がらず、6シンクロには《オリエント・ドラゴン》を筆頭としたプレイ機会が限定的なモンスターばかりです。
《魔轟神キャシー》と組み合わせるプランに関しては、両者が合わさることでしか機能しない不安定感が気になりました。片方だけの手札はお世辞にも良いハンドと言えず、むしろ悪形です。
キャシーに関しては竜の渓谷や《鳳翼の爆風》と組み合わせる用途もありますが、死に札となる可能性のあるカードを他のカードと組み合わせることで「何とか使えている状態」としか認識できませんでした。
これらの経験を経た結果、直接的な除去が最もスマートかつ安定的だと考えるキッカケになっています。


《カードガンナー》
対ヴェルズ戦における役割の薄さ、水精鱗の《海皇の狙撃兵》や炎星の《暗炎星−ユウシ》等機能が疑問視されるシチュエーションがいくつかあり、最も問題と感じるのはミラーマッチにおいてクリムゾンブレーダーの標的となってしまうことです。
罠と組み合わせて複数回起動するカードガンナーは確かに強いのですが、毎回罠を引けているとも限りませんし、そもそも罠があるのであればこうしたリスクに晒さずともドラゴン+罠の手堅い布陣を築けます。
デブリドラゴンからの《ブラック・ローズ・ドラゴン》や《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》のような魅力もありますが、デメリットが深刻過ぎるために取り止めました。
効力が上下しやすく、不確定要素ゆえに安定性から外れてしまうのもテーマに沿いません。


《ドラグニティ−ピルム》(《トライデント・ドラギオン》《神樹の守護者−牙王》)
テンペスト・竜の渓谷の2種からサーチが効き、1ターンキルおよびビートダウンへの制圧と戦略の幅が一気に広がる1枚ですが、これ以上のエクストラ圧迫は限界です。
チームメンバーの一人がこのエンジンを取り入れると同時に2枚の既存枠を犠牲にしたのですが、抜いたカードによって落とした試合も出てしまいました。
それと同様かそれ以上にピルムで勝ち得た試合もあるかと思いますが、兼ね合いが難しいです。
本当にピルムでしか無理だと思われる盤面に何度も直面するか、見合ったゲームプランが構築できれば投入しても良いかと思います。


《手札抹殺》
手札抹殺は発動した段階でまずアドバンテージのマイナスを一つ背負います。
ディスカードの中に征竜やキャシーが混ざって初めてプラスに換算されていきますが、いくら征竜がデッキからのサーチ効果を有しているとは言え、手札にキープできる量はせいぜい2枚程度です。
最序盤でたまたまドラゴンまみれの手札を抱えない限り、爆発的なアドバンテージをもたらすようなことはまずありません。
ドラゴンを安定的に集められるようなカード(櫃・渓谷(テラフォ)・霊廟)を大量に搭載し、ディスカードを安定させる方法もありますが、デッキの中をそれらのカードで固めると引いてきやすいカードもまたそれらとなります。
2枚捨てるだけではアドバンテージは(手札抹殺:−1)+(征竜:1)+(征竜:+1)で1増加です。単純にプラス1なら良しと言えますが、リスクのある+1です。
またこれはあくまで自分の都合に限った話で、手札抹殺は相手側にも影響を及ぼすため採用に当たってはその点も考慮する必要があります。
相手側はカードの消費がないため、自分側に発生している発動に伴う−1のアドバンテージはありません。
ミラーマッチであれば同様に征竜の枚数分アドバンテージを稼がれていきますし、水精鱗であればタイダル・《ジェネクス・コントローラー》をプラスに変換し、アビスケイルのような死に札もまとめて入れ替わります。
直接的にプラスの付くデッキでなくとも、炎星やヴェルズ相手は《熱血獣士ウルフバーグ》《ヴェルズ・ケルキオン》を活性化させる可能性があります。
+1〜2のアドバンテージを狙いに行くにはあまりにリスクの高い選択肢であり、ムラが大きすぎます。少なからず進んで採用すべきものではないはずです。


《死者蘇生》
《D・D・R》
強弱の差が激しい1枚です。
ドラゴンが回り切った状況下ではそれなりに強力ですが、そうなる前段階では他のサポートカードと比べて見劣りが激しく、今回の構築のテーマである安定性の概念からは離れてしまいます。
またサポートの枠には攻撃的な補助よりも罠を採用したい思いがあり、求める方向性の違いから投入を控えています。
仮にドラゴンが回り切った前提の採択を行うにしても、今回のテーマ的にそれは《鳳翼の爆風》になります。


《スケープ・ゴート》
防御カードとしての換算が難しく、これが残っているうちは前のめりの展開ができない難点があります。
攻撃の準備が整っているのに攻められず、責め始めると機能せず、状況を選ぶ防御カードという点で非常に勝手が悪いです。
シンクロパターンの増加は強みであると同時にエクストラデッキの圧迫を意味し、いくらかの選択肢を諦めてまで搭載するようなカードでもないと考えています。
8エクシーズ+デブリまで搭載してしまうと、これ以上のシンクロパターン組み込みは現実的ではなくなります。


《No.101 S・H・Ark Knight》
《迅雷の騎士ガイアドラグーン》
《幻獣機ドラゴサック》2枚目
《森羅の守護者−アルセイ》
いずれもエクストラのスペース上の問題です。
このメインを取る上では現段階で採用しているカードのいずれも外すことができず、途中で抜けたメンタルスフィアやサイドデッキのエイドと合わせ、これらの選択肢が採用できずにいます。
あるに越したことはなく、時折必要とされる場面に遭遇し歯がゆい思いをすることにもなりますが、現在のレギュラーとの入れ替えは考えづらいですね。
またパールではなくArk Knightを採用している人が多いのですが、パールの役割は1ターンキルと《ヴェルズ・オピオン》プレイの阻止の2点であり、Ark Knightではどちらも達成できません。


《ライトロード・ハンター ライコウ
主にビートダウン系統のデッキに対するメタとしての割り当てになりますが、裏守備のセットはアライブHEROに対して有効である一方、《暗炎星−ユウシ》を持つ炎星、《ヴェルズ・オ・ウィスプ》を持つヴェルズに対しては博打的な選択になります。
ビートダウン系統のデッキに対して割けるスペースは限定的であるため、特定方向に寄せた選択は行えません。なるべく広くを見れるカードを探した結果、採用は無しとしました。