2009年3月度制限総括

JAPAN CUPも終わり現制限で向かえる大型非公認もなくなったので、
自分なりに今の環境をまとめて行きたいと思います。
全くと言っていいほど有用な情報になりえないので、完全な自己満足ですねw


【環境初期】
制限発表の際、誰しもが猫の放置に目を疑ったものかと思います。
前制限(2008年9月度制限)の中頃から《ナチュル・ビースト》という強力なフィニッシャーを獲得して以来、
シンクロアンデ・スーパードローライダーといった1KILLデッキを相手に渡り合い徐々に勢力を拡大。
環境の高速化に対し光アンデと共に《王宮の弾圧》を内包したメタ的ポジションとして君臨。
ダーク・ダイブ・ボンバー》《アーカナイト・マジシャン》の2種シンクロを手に入れてからはワンキルデッキとしての側面も見せ始め、
着実に力をつけ始めたところでの放置は今回のライトロード放置に並ぶ衝撃的な改定でした。
当然環境初期多くのプレイヤーが目をつけたのはこの「猫」であり、
制限改定前に活躍が見込まれていた「ライトロード」「BF」はこの勢いの前に沈黙。
2月28日に開催された関東チャンピオンシップを皮切りに、翌日の近畿チャンピオンシップでも猫は上位を独占。
上位4チーム12人のうち9人が猫を使用、またこの2日間で「アーカナイトビート」こと「墓守猫」が登場。
両大会とも優勝こそ逃しはしたものの抜群の完成度は多くのプレイヤーの目を引き、結果環境をリードする「第一メタデッキ」としての地位を確立する事となりました。
同月末日、舞台を神奈川へと移し第一回神奈川選手権が開催。
この1ヶ月弱の間で墓守猫は一つの完成系へと歩みを進める一方、
先の関東チャンピオンシップで準優勝の座を獲得した「次元剣闘獣」が対抗勢力として日の目を浴び着手される事に。
結果神奈川選手権は「墓守猫」「ライトロード」「次元剣闘獣」の3デッキが優勝。
この結果を受けて次元剣闘獣は一層注目を受けるデッキとなるのですが、
それでも猫デッキは2位から4位にかけても7名もの上位者を輩出しており次元剣闘獣の台頭よりも猫のデッキパワーを示した面が強く、
1日あけて開催された東海チャンピオンシップでは案の定会場を猫が席巻。
神奈川選手権を制した「サイドデスカリ魔デッキ」の構築もこの頃がピークで、
その流行は同時に「魔デッキの限界」を表すもので、皆がこぞって魔デッキを打ち出せばその効力は当初の半分にも満たず、
決定的な一打にはなりえない事になります。
構築は動き続けるもの。常に変化が求められていると言う事実を確認させられる大会となりました。
また、優勝はまたしても猫。サイドスキドレバルバと若干の変化が見られましたが、本質的な面では何の変わりはありません。




ここまでが前哨戦。
環境初期は黎明期として多種多様なデッキが見受けられる事が多いのですが、
猫の抜きん出たカードパワーの前に多くのプレイヤーがその道を選択する、選択せざるを得ない結果になりました。
ここから選考会ランキングがスタートし、中期に差し掛かります。




【環境中期】
選考会ランキングの幕開けはあいも変わらず猫が横行するスタート。
しかしながらその中でもメイン魔デッキ・メインデスカリと互いを意識し合った構築の変化も生まれ、
勝ち星を重ねるため、ひいてはその先の選考会を制すため、多種多様なメタカードの模索が始まりました。
この流れの中で環境初期を飾った「オーク魔デッキ」は淘汰され、「闇属性の優秀アタッカー」としてデスカリのみが残留。
そして2ヶ月弱の集大成として横浜チャンピオンシップが同地で開催。
各自の持論を詰め込んだ様々なタイプの猫デッキが持ち込まれ、
上位4チーム12人中11人が猫と一見の悲惨な結果に代わりは無いものの、
インサイド共にそれぞれがバリエーションに富んだ構成となっていて、
オーク魔デッキという大きな枠を取り払う事で、同タイプデッキの中にも個性が現れ始めるようになったと考えられます。


選考会と言う1年に1度の大舞台を前に、多くのプレイヤーが土台固めに差し掛かり始めた印象が強い環境中期。
猫の繰り出す《ナチュル・ビースト》の制圧力がいよいよ危険視され、
インサイド共にこれに対する攻略法の考案が進められた傾向があるように思います。
最もわかりやすい所で言えば《強制脱出装置》がこれにあたり、
次元幽閉》のようなカードもちょくちょく見られるようになりました。




【環境終期】
ランキング集計も終わり本番を迎えた日本代表選考会。
先に開催された西日本会場では前評判どおり墓守猫が会場を席巻。
体感8割から9割のプレイヤーがこれを使用し凌ぎを削りあう結果に。
そんな中代表の座を掴み取ったのは割拠猫とアンデダークの2デッキ。
次点の3位4位が両者共に墓守猫である事からも分かる通り、
的確なメタ読み(今回に限っては墓守猫一択とまで呼べる環境でありましたから、この要素は薄めですが)の元、
それを解析し、構築への反映(強大なデッキパワーゆえここが最難関)をよりベストな手段で行えた2名が勝ち残れた印象です。
方や猫のデッキパワーをそのままに奇抜なメタカード・構築の採用、
方や猫同士の同系戦が増えるに当たりワンキルに構築が寄り過ぎてしまった猫を的確にメタった構築での勝利。
猫が元来のトマトや魔デッキのような構築にあれば両者の立ち位置も少なからずの揺らぎが生じたでしょうが、時代の波がそれを許さない。
進み、練り上げられ、そして固定化された構築にはどこか脆さが、付け入る余地がある。
カードゲームにおけるメタゲームの動き、それに伴う構築の奥深さを存分に味わう事のできた大会だったと思います。
ここから1週間後、神奈川の地で第2回神奈川選手権が開催。
西日本選考会の影響を受けダークを選択するプレイヤーが非常に多かったのがこの大会ですが、
時を同じくして本大会ではもう1つのアーキタイプが成立しました。
ここ最近各地で流行を見せている「猫剣闘獣」がそれにあたります。
東海チャンピオンシップやインターネット上での大会、加えて海外の大会等で結果を残していたのですが、
ここにきてようやくその存在が明るみになり着手される事となりました。
墓守猫はワンキルじみた突破力を高いディフェンスラインに支えられた割と「防御的なデッキ」であるのに対し、
猫剣闘獣は各種剣闘獣を積極的に繰り出しては背後に猫の後ろ盾を構える「攻撃的なデッキ」で、
事故率の少なさから安定感も高く同じ猫を軸にするデッキ同士でも若干の相性差が生じており、
ここに来て一つの対抗勢力として名を売り出す事になりました。
そんな激動の今大会を制したのはダークこと墓地BF。優勝チームメンバー3者が全員同タイプのデッキを使用。
西日本選考会を制したダークがアンデット要素を採用しているのに対し、
こちらは異次元からの埋葬と相性の良いヴァーユシロッコを採用した《BF−大旆のヴァーユ》登場より研究が進められてきていた従来のタイプのもので、
アンデダーク同様墓守猫に対し強い耐性を持っています。
先に挙げた猫剣は2人の上位者を出すにとどまり、優勝チームのデッキ的なインパクトも相俟って鳴りを潜める結果となりました。
しかしながら、1週間後に開催された東日本選考会、代表を掴んだのは墓守猫、それに加えて猫剣闘獣でした。
猫剣闘獣は持ち前の攻撃的姿勢に伴う「罠の発動機会を多く与えてしまう」という問題があり、
これを補う術が警戒プレイング(手軽に行える半面積極的にアドバンテージを稼ぎにいけない所為で剣闘獣の強みが生かしづらい)と《神の宣告》な訳ですが、
両者共デメリットが大きく引きに左右されがちなのが問題点として挙げられます。




休憩。続きは後で。