CS総括

ここ最近のCSで活躍したデッキをここらでまとめておこうと思います。

旋風BF

最近流行りの《封印の黄金櫃》を採用しない至ってベーシックな構築で、俗に「罠型」とされているもの。
1年半も前から研究され続けているだけあってデッキ自体の完成度が非常に高く、「安定の塊」のようなデッキで、基礎部分さえしっかりさせておけばチューニングも自由自在で環境への適応度が高く、非常に強力。

関東CS優勝/ワイルドマン

モンスター(18枚)
魂を削る死霊
ダーク・アームド・ドラゴン
BF−大旆のヴァーユ
BF−蒼炎のシュラ×3枚
BF−疾風のゲイル
BF−黒槍のブラスト×3枚
BF−月影のカルート×3枚
BF−極北のブリザード×3枚
BF−暁のシロッコ×2枚

魔法(10枚)
死者蘇生
黒い旋風
月の書×2枚
強欲で謙虚な壺×2枚
闇の誘惑
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(12枚)
奈落の落とし穴×2枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
神の宣告
次元幽閉×2枚
激流葬
マインドクラッシュ
ダスト・シュート
ゴッドバードアタック×3枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
BF−アーマード・ウィング
BF−アームズ・ウィング
BF−孤高のシルバー・ウィンド
インフェルニティ・デス・ドラゴン
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ダークエンド・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
サイバー・ドラゴン×2枚
スターライト・ロード
スノーマンイーター×2枚
異次元への隙間
王宮の弾圧
天罰×2枚
転生の予言
伝説の柔術家
抹殺の使徒×2枚
冥府の使者ゴーズ

ここ最近シロッコが減らされる傾向があり、空いたスロットに《魂を削る死霊》が採用される事が多くなっています。

遊戯王と言うゲームはほとんどの時代を強力な非制限カードに支配されていて、これまでの時代を一つ一つを振り返ると《インフェルニティガン》《異次元からの埋葬》《大寒波》といった強力な面々が名を連ねており、非制限カードのもたらす構築・プレイング面での影響の大きさを伺い知れるかと思います。
そして今、実際にその構築、プレイング共々に大きな影響を与えているのは間違いなく《ゴッドバードアタック》であり、ゲーム中はいかにしてこのカードによってもたらされる被害を小さく抑えるか、自ら用いた際にどう活かすか、というのが大変重要になってきています。
もちろんこのようなやりとりは前環境から引き継がれた今のBF時代ではごくごく当たり前の事で、プレイング自体も割と確立されつつあります。
そして今最もメジャーでベターとされているのが《ゴッドバードアタック》のみをセットして相手にターンを渡す戦い方。
フリーチェーンゆえに先に伏せておけば相手の《奈落の落とし穴》や《次元幽閉》のような厄介な除去をまともに食らう事を避けれますし、他に狙うカードがあれば2:3の交換でアドバンテージを生みだします。
ここに《盗賊の七つ道具》や《神の宣告》を合わせられた場合でも2:2の発生で、相手のみライフの支払いがあるので交換比率的には悪くなく、むしろダメージレースになりやすい今の環境では大きなプラスだと言えます。

伏せにこのカード1枚を配しておくだけで非常にゲームを優位に進めれる上に、損をする可能性が少なく、単純なプラスを見ていきやすいのが強みとなっています。
例外として《ライトロード・マジシャン ライラ》や《魔導戦士ブレイカー》、《ライトロード・ハンター ライコウ》のような裏目も存在しますが、どれもデッキを選ぶカードなので状況を見ながらセットの有無を考えていけば問題ありません。
また、単に場にシュラやブラストのようなモンスターを配しておくのは不安要素が多分にあり、ステータスだけで見るとどちらも決して高いモンスターとは言えず、その他の防御カードやカルートに依存した形になるので《大寒波》や《ハリケーン》ないしは《サイクロン》のようなカード1枚で崩れやすく、いたずらにモンスターを失う結果になりかねないため、多くのプレイヤーはこれを嫌ってモンスターを率先してフィールドに置いておく事をしません。
また特殊召喚能力に長けるデッキですからこれがベター、単純な正解に結び付きやすいという性質もあってその傾向はより色濃いものとなっています。
そこに突き刺すのがこの《魂を削る死霊》!
今ではすっかり定番の除去として落ち着いた感じのある《奈落の落とし穴》をかいくぐり、綺麗にハンデスを決める事が出来ます。
またダークアームドドラゴンやゲイル以外ではほとんど損をしない場持ちの良さもウリの一つで、戦闘破壊もままならないので、ハンデスの被害を抑えるためには場にカードを避難させる他ありません。
そうなると前述したゴッドバードアタックの利点が生きてくるので、ゴッドバードアタックを用いるデッキでは非常に好相性な1枚で、非常に素晴らしい着眼点を持っていると言えます。

櫃型旋風BF

関東CS優勝/アーサー

モンスター(19枚)
魂を削る死霊
ダーク・アームド・ドラゴン
D.D.クロウ×2枚
BF−大旆のヴァーユ
BF−蒼炎のシュラ×3枚
BF−疾風のゲイル
BF−黒槍のブラスト×3枚
BF−月影のカルート×3枚
BF−極北のブリザード×3枚
BF−暁のシロッコ

魔法(15枚)
封印の黄金櫃×2枚
大寒波
死者蘇生
黒い旋風
月の書×2枚
強欲で謙虚な壺×3枚
闇の誘惑
ブラック・ホール
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(6枚)
奈落の落とし穴×2枚
激流葬
ダスト・シュート
ゴッドバードアタック×2枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
BF−アーマード・ウィング
BF−アームズ・ウィング
BF−孤高のシルバー・ウィンド
インフェルニティ・デス・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ダークエンド・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
サイバー・ドラゴン×2枚
スノーマンイーター×2枚
マインドクラッシュ
異次元への隙間×2枚
王宮の弾圧
神の宣告
天罰
転生の予言
伝説の柔術家
抹殺の使徒×2枚
冥府の使者ゴーズ


浜松CS・埼玉CSの連覇が記憶に新しい櫃型旋風BF。
前述した2つの大会を境に明らかに増えたこのタイプですが、徐々にシェアを拡大し続け今に至ります。

さて、この《封印の黄金櫃》ですけど、皆さんこのカードにどんなイメージをお持ちですか?
ワンキル?コンボ?それに伴うコンボパーツサーチ?
各自色々と思うところもあるかと思いますが、このカードの能力は「デッキの中からカードを1枚探して除外し、2ターン後に手札に加える」というものです。
同じデッキタイプ同士での戦い、いわゆる「ミラーマッチ」はほぼ同じ内容のデッキでゲームを行うものであるため、何かしらのシークレットテクでも搭載していない限りは構築的な差はほとんどつきません。
お互いの技量、時の運に身を任せて戦う事になる訳ですが、プレイングで差のつきやすい旋風BFでの戦いにおいてもなお、いかんともしがたい2つの要素がありまして、まず一つは先行と後攻、もう一つは《ダーク・アームド・ドラゴン》や《黒い旋風》のような強力な制限カードの存在です。
先行と後攻の差に関してはもはや言わずもがな。
先に伏せられてしまった《ゴッドバードアタック》や旋風シュラ3伏せなんていう地獄に苦しめられたプレイヤーは少なくないはずです。
ただこの先行後攻というのは「運」以外の何ものでもなく、プレイヤーの関与できる領域にはないのでここでは言及しません。
じゃんけんのなんたるかを徹底して追求すれば何か見えてくるのかもしれませんが、現状僕はそれを知りえないので特筆すべき事もありません。


よって、2つ目の「強力な制限カード」の方に目を向けたいと思います。
当たり前のことですが強力なカードと言うのはどれだけあっても困るなんて事は滅多になく、この手のカードを初手に握る事ができれば、勝率が大きく変化することは確定的です。

要はこのデッキにおける黄金櫃はゲーム中で強力なカードを使用できる確率を増すためのユーティリティアイテムで、枚数の間接的な底上げを行っています。
サーチの主な対象は《ダーク・アームド・ドラゴン》《死者蘇生》《大寒波》《ハリケーン》といずれもゲームを決定づける力のある最上級カードで、特にデッキ全体を闇属性で占めるBFの強みである《ダーク・アームド・ドラゴン》を積極的に使って行けるのは相手にとって大きな脅威になるはずです。


また、《大寒波》の強みを活かすべく防御を薄めに敷いているのがこの櫃型の特徴ですが、通常のタイプのものに櫃のみを採用したものも見かけられるようになりました。

関東CS準優勝/ベヒモス

モンスター(18枚)
ダーク・アームド・ドラゴン
サイバー・ドラゴン×2枚
BF−大旆のヴァーユ
BF−蒼炎のシュラ×3枚
BF−疾風のゲイル
BF−黒槍のブラスト×2枚
BF−月影のカルート×3枚
BF−極北のブリザード×3枚
BF−暁のシロッコ×2枚

魔法(11枚)
封印の黄金櫃×2枚
死者蘇生
黒い旋風
月の書×3枚
闇の誘惑
ハリケーン
サイクロン×2枚

罠(11枚)
奈落の落とし穴×2枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
神の宣告
次元幽閉×2枚
闇の幻影
マインドクラッシュ
デルタ・クロウ−アンチ・リバース
ゴッドバードアタック×2枚

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
BF−アーマード・ウィング
BF−アームズ・ウィング×2枚
BF−孤高のシルバー・ウィンド
インフェルニティ・デス・ドラゴン
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
ゴヨウ・ガーディアン
スターダスト・ドラゴン
ダークエンド・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
マジカル・アンドロイド
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
D.D.クロウ×2枚
スキルドレイン×2枚
スノーマンイーター×3枚
王宮の弾圧
死霊騎士デスカリバー・ナイト×2枚
大寒波
天罰×2枚
魔のデッキ破壊ウイルス×2枚

メインボードにサイバードラゴンの採用が見られるなど若干の変更点が見られますが、基本は防御カードが多めの構成となっていて、櫃型の「強力なカードを積極的に使っていく」という利点を吸収しながら、罠型の持つ耐久力が黄金櫃の特性である「タイムラグ」というデメリットを埋め合わせてくれています。


またこの構築もそうですが、他いくつかの入賞者の構築に《次元幽閉》の採用が見られます。

次元幽閉はここ最近のメタゲームの変遷を非常に的確に表した1枚で、環境初頭にトーナメントシーンを席巻していた「クイックダンディ」系列のデッキは《D.D.クロウ》《魔のデッキ破壊ウイルス》に対する明確な回答を示す事ができず、淘汰されてきました。
光デュアルや墓地BFのように同じ土俵で戦うデッキが増え始めると、《BF−極北のブリザード》《BF−大旆のヴァーユ》や《ミラクル・フュージョン》といった墓地リソース活用カードへの解答という側面を持ち合わせる《次元幽閉》は相対的にその価値を増し、ここ最近一気に日の目を浴びるようになりました。
また、上で挙げた1枚セットの立ち上がりをこれで行う事が出来れば《魂を削る死霊》のケアもでき、比較的安定したゲーム展開を見ていけるのでその点も評価の対象だと言えます。
そして何より単純な1:1交換であるため損をしにくく、クイックダンディの様な別次元で戦うデッキが少ない環境であれば十分な信頼を置ける1枚で、前述したように環境の動きを良く見た的確な選択であったと言えます。